― 時期的にはいつがいいですか?
一般的には2月中旬~3月上旬までが見頃といわれています。流氷初日(沿岸部から肉眼で見えた最初の日)は1月下旬ごろ、流氷接岸初日は2月上旬~中旬ごろからですので、それ以降ということになります。海明け宣言される3月中旬以降になると危険ゾーンに入ります。特に北の紋別は3月は厳しいので、南の知床ウトロが確率が高くなります。ただし、過去には4月でもみられたという記録もありますので、なんとも言えません。この日が絶対見れるということは地元民でも言えません。
― 朝と昼ではどちらがいいですか?
関係ありません。地形、海流、風向、風の強さ、海の深さ等で決定されます。朝に見れても昼までに移動して見えなくなってしまうことや、その逆もあり得ます。つまり気象条件で簡単に見られなくなってしまうということです。2~3時間でもあっという間に移動してしまう気まぐれ屋さんなのです。
― 流氷速報はどこで見たらいいのでしょう?
赤い色が流氷帯です。網目模様ほど厚い流氷です。青いのは流氷のない青海です。ただ、雲がかかっていると観測できないので、その場合灰色になっています。
http://www1.kaiho.mlit.go.jp/KAN1/1center.html
天気予報も常時チェックしてください。特に風向きです。南風が続く場合、流氷は北に逃げて行ってしまいます。一方、北風の場合、北海道沿岸部に接岸あるいは近くにやってくる可能性が高くなります。
― 流氷を見るエリアはどこがいいのですか?
オホーツク海沿岸の宗谷・北見枝幸方向から知床を経て、根室海峡までの間の海岸で見られます。ごく稀に釧路沖まで押し寄せることもあります。どこが良いかというのは、気象条件次第ですので、その日・その時刻になってみないとわかりません。ある時刻に紋別・網走で接岸していなくても、ウトロで接岸していることや、その逆もありえます。参考までに、流氷に通じる人の間では、紋別<網走<知床斜里ウトロの順に厚い流氷が見られる確率が高くなるといわれています。これは地形的な問題や海の深さ等複雑な環境で、知床半島と網走能取岬に囲まれた湾に流氷がぶちあたって停滞しやすいようです。つまり、流氷接岸日数が他の地域より高めであるということです。
― 流氷スポットにはどこがありますか?
沿岸……北浜駅、能取岬、サロマ湖竜宮台、斜里町ウトロ、お勧めは知床連山方向を見る感じのビュースポットである北浜駅など。
― 沿岸から見れない場合はどうすれば?
流氷観光船に乗りましょう。網走ではおーろら、紋別ではガリンコ号Ⅱが就航しています。事前に予約しておいてください。沿岸から十分見えなくても、沖合に行けば流氷帯に当たることがあります。流氷観光船は沖合10kmほどまで航行してくれます。それ以降沖合になると行ってくれませんが、ある程度融通をきかせてくれます。
― 紋別・網走どちらの観光船がいい?
どちらにも一長一短があります。網走市のおーろらは比較的大型船なのでツアー客が多いです。紋別市のガリンコ号Ⅱは小柄なので、迫力を楽しめます。そもそも構造が違います。流氷帯の中を進む違いを楽しむのもいいのでは?観光面では網走も紋別もどちらも近くに観光スポットがあります。アクセス面では網走のほうがよいでしょう。
― 沿岸にも沖合にも流氷がないときはどうすれば?
流氷観光船に乗船しても流氷に出会えない時が結構あります。なので、沿岸をじっくり回りましょう。紋別~網走~斜里ウトロ間で車を走らせればどこかで巡り合えたりします。どこにもない場合でも、すでに接岸したことがある地域なら、海岸に打ち上げられた流氷が残されていることがありますので、それを楽しむとか、近くの冬のイベントを楽しむとかすることが良いかと思います。いずれにしても、流氷観光は柔軟なスケジュールを立てることが求められます。単純に見られない場合や、悪天候で観光船が欠航した場合、観光船乗り場ですでに流氷に会えない旨張り紙されている場合(この場合は割引料金になります)などあらゆる事態を想定しておく必要があります。
― 流氷を思い切り楽しむには?
流氷ウォーキングなど体験型プログラムに参加してください。
― 天気予報で「流氷の動きに注意して下さい」って何に注意すれば?
このコメントは、基本的には漁業関係者向けの注意です。流氷の動きが活発になり、流動的なので、船の航行などに注意するようにということです。
― 流氷初日とかって言葉の意味は?
初観測: 毎年1月ごろになると、第一管区海上保安本部(小樽)の航空機がオホーツク海の沖合を飛行士、流氷を観測します。これがニュースとなり、流氷シーズンの始まりとなります。正式な用語ではないですが、「初確認」とは、洋上において流氷を初めて確認された日ということになります。一般の人が見ることはできません。
流氷初日: 次の段階としては、流氷がもっと南下して北海道沿岸に近づきます。まずは沿岸部から水平線上に肉眼で見ることができるわけですが、こうして観測された初日を「流氷初日」と呼びます。「初日」とつけているのは、流氷は沿岸に近づいたり遠ざかったり流動的だから。初日に観測されても、数日間見えないこともあります。
流氷接岸初日: 文字通り、流氷がもっと沿岸部に近くなり海岸線に到着、船舶が航行できる水路がなくなった状態を初めて観測した日です。先ほども述べたように、流氷はずっと接岸しているわけではないので「初日」の観測がなされます。
海明け: 海面に占める流氷が少なくなっていき、流氷が5割以下になって、水路ができ、船舶の航行が可能になった最初の日です。この海明け宣言は、流氷の動向次第であり、後になって宣言が出されます。
流氷終日: 海面で流氷を肉眼で見ることができた最後の日。この日も、流氷の動向を見極めて後で確定する日です。
流氷期間: 流氷が見られていた期間です。起算日は「流氷初日」で、「流氷終日」が確定、発表された時に期間がはっきり分かります。
流氷日数: 肉眼で流氷を見ることができた日数を数えます。流氷は肉眼で確認できる日と確認できない日があるので、流氷期間の日数よりも少なくなります。
網走市の平年の観測データでは、以下のようになっています。
・流氷初日: 1月20日
・流氷接岸初日: 2月1日
・海明け: 3月24日
・流氷終日: 4月16日
・流氷期間: 87日