人と犬との絆が心を打つ!恵庭市の冬の風物詩「えにわ犬ぞり大会」

犬ぞりを見たことがありますか? 何匹もの犬が雪の上を白い息を吐きながら走り抜けていく様は、テレビなどで見たことはあっても実際に目にしたことがある人は少ないのではないでしょうか。

そうした犬ぞりの大会が、実は札幌近郊で毎年行われています。恵庭市のテーマパーク「えこりん村」で開催される「えにわ犬ぞり大会」です。今回で開催は6回目、今や恵庭市の風物詩とも言われるようになりました。気になる大会の模様を実際に見に行ってきました。

犬たちと人との信頼関係が心を打つ

2月4日(土)と5日(日)に開催された「えにわ犬ぞり大会」。今年(2017年)で6回目を迎える恒例行事です。それだけに大会の知名度は全国的に広がっていて、北海道からだけでなく、道外からも多くの人が参加します。今年も岩手や宮城、遠くは群馬から参戦した人も。参加したチーム数は96、犬の数は194匹にも上りました。

▼パドックの犬たちはレースはまだかと闘志をかきたてていました

犬ぞりレースは、マッシャーと呼ばれる犬ぞりのドライバーが、犬たちを率いてゴール地点までのタイムを競うレースです。子犬の頃から育て上げた犬たちとの一体感が重要になります。

長距離を走る場合は、どこでスピードを上げるか、どこで下げるかといった戦略もポイントです。ただ強い犬を育てただけでは勝てない面白さがあるのです。犬たちのスピードは最速で30キロもでるのだとか。白銀の中を猛スピードで駆け抜ける犬たちの迫力に圧倒されます。

▼マッシャーは犬たちに絶えず声をかけ続けます

競技で最も長いコースは7km。力を使い果たしゴール直前には息も絶え絶えになった犬たちを励ますマッシャーと、それに応えようとする犬たちを見て「人と犬との信頼関係」に心打たれるのも犬ぞりを見る楽しみのひとつでしょう。

えこりん村で犬ぞり大会がはじまったのは2012年から。その当時、えこりん村でアルバイトをしていた佐々木里花さんの「犬ぞりをやりたいですね」という一言が発端でした。その言葉に共感した有志が集まり犬ぞり大会が開催されることになったのです。 

▼競技会スタッフの佐々木里花さん(右)

「犬が好きで、私自身小学生の頃から犬ぞりをやっています。犬ぞり歴は現在で24年になります。犬ぞりの醍醐味は、犬との一体感や、思った通り走れたときの爽快感ですね」と佐々木さんが語ってくれました。

実際に目の当たりにする迫力!

競技会は、そりを引く犬の頭数によってカテゴリーが分かれています。1頭引きのキッズからはじまり、どんどん頭数が増えていきます。いちばん多いのが6頭引き。頭数が増えるごとに迫力を増していき、観客の声援にも一層熱がこもります。

▼2頭引き

▼4頭引き

▼6頭引き

▼エキシビションに参加した14頭引き

実際に競技に参加した田上瑠美子さんに話を聞いてみました。

▼田上さんと愛犬のソニア(左)とジェシー(右)

田上さんは、毎年6レースほど参加するベテランのマッシャー。今年は愛犬のソニアとジェシーに友達のルイスを加え、3頭引きで参戦されていました。ちなみにソニアは14歳。今回の競技が引退試合になる予定です。

▼レース中の田上さんと愛犬たち

レースを終えたあとの田上さんに感想を伺うと、
「レースを心から楽しめました。これでソニアを気持ちよく引退させてあげることができます」
と、晴れ晴れとした様子。ここでも人と犬との絆を感じ、こちらまで胸が熱くなりました。

えこりん村にある「花の牧場」では、「えにわマルシェ」も開催されていました。「えにわマルシェ」は、「市民のためのつなげるマルシェ」をキャッチコピーとして、生産者と消費者がふれあう場所です。恵庭ならではの飲食物や手工芸品などを扱うお店が多数出店されていて、たくさんのお客さんで賑わっていました。

▼えこりん村内の「花の牧場」

▼犬ぞり大会プラスαのお楽しみ

競技を見て熱くなるのはもちろん、たくさんの犬たちが一堂に会することもあり、犬好きにはたまらない「えにわ犬ぞり大会」。来年も開催される予定なので、ぜひ足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。

第6回えにわ犬ぞり大会実行委員会
所在地:恵庭市牧場281-1 えこりん村内
TEL:0123-34-7800(平日9時30分~17時)