日本一早い紅葉が見られることで有名な大雪山。山の名前ではなく、旭岳、黒岳、赤岳など、北海道の最高峰の山々の総称を言い、大雪山系と呼ばれることも。大雪山系の山々では、8月下旬より頂上付近から紅葉がはじまり、1ヶ月ぐらいかけて麓へと紅葉が降りてきます。9月上旬から10月上旬までが紅葉の見頃と言われている大雪山系の紅葉スポットを巡ってきました。
1.旭岳(東川町)
標高2291mの旭岳へは、5合目までロープウェイで登ることができ、その周辺には散策コースが設けられています。1周約1.7km、1時間ほどで散策することができます。
▼旭岳の5合目にあるロープウェイの姿見駅
散策コースを歩くだけなら、登山用の装備は必要ありませんが、登山靴のような底の厚めの靴は必須です。また天候が変わりやすいため、レインウェアは準備しておいた方がいいでしょう。高地のため、麓よりも気温がかなり低くなりますので暖かい服の準備も忘れずに。
▼散策コースから見られる風景
【動画】旭岳ロープウェイ姿見駅周辺を散策してみました
2.黒岳(上川町)
標高1984mの黒岳へは、ロープウェイとリフトで7合目まで登ることができます。ロープウェイは、標高670mにある山麓駅から1300mの黒岳駅に約7分で連れて行ってくれます。
▼ロープウェイは5合目まで、そこからリフトで7合目まで行くことができる
リフトを降りたところは標高1520mの地点です。そこから歩いて1.7km、約1時間半で頂上に行くことができます。頂上に行くためには、リフトを降りたところにある森林管理署の事務所で、登山届けを提出しなくていけません。
▼頂上までは登山道が続いている
登山道があり、登りやすいようになってはいますが、やはり山道。登山靴などは必須です。旭岳と同じように、レインウェア、暖かい服の準備も忘れないように。また、ロープウェイの到着する5合目以降はトイレがありませんので注意して下さい。
▼9合目あたりからの絶景
▼頂上からの絶景
【動画】大雪山黒岳に登ってみました
3.赤岳銀泉台(上川町)
赤岳の登山口にある銀泉台へは、9月上旬から中旬ぐらいまでマイカー規制のため車で行くことができなくなります。層雲峡温泉から帯広方面に約15km、車で20分ほどの場所に大雪レイクサイトがあり、そこから有料のシャトルバス(片道500円)に乗り換える必要があります。また、シャトルバス利用者は、マイカー規制協力金200円を払ってください。大雪レイクサイトは、車を駐車することができます。
▼シャトルバスが到着する森林パトロール銀泉台事務所前
銀泉台からは、森林パトロール銀泉台事務所で入山届を出します。登山口は標高1517mで、2078mの赤岳山頂を目指します。山頂までに第一花園、第二花園、奥ノ平、駒草平と名付けられたポイントがあり、進むほどに道は険しくなっていきます。
▼銀泉台で見られる絶景
標高が高くなってくると、残雪もあり、肌寒くなってきますので、登山に適した服装が必要です。また、残雪が溶けて道がぬかるんでいるため、登山靴など底が厚い靴はもちろんのこと、防水処理された靴を履いていった方がいいでしょう。
▼標高が高くなると高山植物が増え残雪も
目安として、登山口より第一花園までが1.3kmで約1時間、第二花園までが1.9kmで約1時間半、駒草平までが2.3kmで約2時間、赤岳山頂までが4.3kmで約3時間ぐらいかかります。
【動画】赤岳銀泉台を歩いてみました
層雲峡観光協会
所在地:北海道上川郡上川町中央町605番地 森のテラスヌプリ
問い合わせ先:01658-2-1811
赤岳銀泉台の情報サイト
4.大雪高原温泉沼めぐり(上川町)
大雪高原は、標高差が250mで比較的歩きやすく、登山初心者にうってつけの紅葉ポイントです。標高が1300mから1500mぐらいで、これまで紹介してきた紅葉ポイントよりも標高が低いため、紅葉の時期が多少ずれます。
9月中旬より下旬までマイカー規制のため車で行くことができません。層雲峡から帯広方面に約15km、車で20分ほどの場所に大雪レイクサイトがあり(銀泉台に行く時と同じ場所)、そこから有料のシャトルバス(片道500円)を利用します。また、シャトルバス利用者は、マイカー規制協力金200円を払ってください。大雪レイクサイトは、車を駐車することができます。
▼バスが到着する大雪高原山荘に隣接するヒグマ情報センター
大雪高原は、ヒグマの生息地になるため、入山届が必要です。また、ヒグマ情報センターで約10分のレクチャーを受けないと入山することができません。
▼ヒグマ情報センターにあるヒグマの目撃情報などが記載されたヒグマ情報板
この大雪高原温泉沼めぐりには、入山届のほか、ふたつのルールがあります。
ひとつめは、入山、下山時間が決められていること。入山時間が7時から13時までで、下山は15時までにヒグマ情報センターに戻らないといけません。
ルールのふたつめは、食事できる場所が緑沼、大学沼、高原沼の3ヶ所に決まっていること。また、すべての場所でコンロなど火気の使用は禁止されています。トイレはありませんので携帯トイレなどの用意も忘れないようにしてください。
▼30分ほど歩いたところにあるヤンベ温泉の間欠泉から吹き出す蒸気
大雪高原温泉沼めぐりは、その名の通りいくつかの沼を見てまわります。それぞれの沼には名前が付けられていて、それぞれ趣の違う沼、紅葉を見ることができます。
▼土俵沼。ヒグマ情報センターより65分
▼バショウ沼
▼滝見沼。ヒグマ情報センターより80分
▼緑沼。滝見沼のそばで、食事することができる地点
▼えぞ沼。ヒグマ情報センターより105分
▼式部沼。ヒグマ情報センターより125分
▼大学沼。式部沼のそばで、食事することができる地点
▼高原沼。ヒグマ情報センターより135分で食事することができる地点
▼空沼。ヒグマ情報センターより155分
大雪高原沼めぐりを実際に歩いてみて思ったのは、ぬかるみがかなり多いということ。足首まで入ってしまうようなぬかるみを歩くため、登山靴よりも長靴の方が歩きやすいと感じました(筆者は前もって層雲峡観光協会の方から聞いていたのでした)。また、高山ゆえに天候が変わりやすいので、レインウェアや暖かい服の準備も忘れないようにしてください。
【動画】大雪高原沼めぐりをしてみました
5.紅葉谷(上川町)
(写真提供:(株)りんゆう観光)
層雲峡温泉街の東側にある紅葉谷は、高低差があまりなく初心者向けの散策路です。大雪山の柱状節理や、もみじ滝を見ることができるスポットで、往復1時間ほどで散策できるため、気軽に紅葉が見られる場所として人気があります。標高が低く、上記で説明した紅葉スポットよりも少し見頃が遅くなります。
今年(2017年)は、その近辺での森林火災のため、紅葉谷の散策路への立ち入りが禁止されていました。2017年9月28日現在、まだ鎮火していない状況です。対策本部が置かれている上川町産業経済課に聞いたところ、消火が確認された後に現場検証があり、それが終わり次第立ち入り禁止を解くそうですが、今が紅葉のピークを迎えているため、今年は見られない可能性もあるということです。
▼紅葉谷の紅葉(写真提供:(株)りんゆう観光)
▼紅葉谷の紅葉(写真提供:層雲峡観光協会)
いかがでしたか? こうして撮影してきた写真や動画を見ても十分に美しいと感じられるでしょうが、実際に見るとその何十倍、何百倍もの美しさです。ぜひしっかりと準備をした上で、この時期にしか見られない景色を楽しんでください。