函館山といえばミシュラングリーンガイドジャポン三ツ星に選ばれた夜景。誰もが知る有名な観光スポットですが、日中、海の景色を眺めながらの登山も味わい深くおすすめです。コースは初心者でも歩きやすい旧登山道を歩くつつじ山コース(片道45分)をはじめ11のコースが展開。スニーカーでも登山できるため、函館市民の健康づくりの山としてはもちろん、るるぶを片手に散策がてら観光登山をする人の姿もよく見られます。
今回、筆者は観光をしながら体力鍛錬も兼ねられる、函館山の登山ルートの中でもっともハードなコースにチャレンジ。立待岬に近い七曲コース入り口から登山をし、舟見町の山上大神宮へ下山するルートを歩きました。函館山は地蔵山や入江山など12のこぶ山が連なった総称であることから、これも縦走!? ということで出発です。
出発は午前11時、到着は午後3時35分。写真を撮影しながらゆっくり歩き、所要時間は4時間35分でした(途中1時間の休憩を含んでいます)。
函館山は約100万年前まで活動していた火山が噴火し、溶岩などが盛り上がってできた火山です。標高334メートル、周囲約9キロで、三方向を海に囲まれているのが特長。エゾフウロやオオバユリなど約600種類の植物が四季折々に咲く、和やかな景観も人気の理由となっています。また、津軽海峡を南下・北上する渡り鳥の休息地としての役割もあり、150種類の野鳥が観察される鳥獣保護区特別保護地区に指定されている自然の宝庫です。
七曲りなのに27の曲がり角!? 登り切ったら絶景が!
▼宮の森コース入口から碧血碑まで1200メートル。なだらかな木道の道が続き歩きやすい
まずは宮の森コースを歩いて碧血碑へ。春を迎えるともっとも早く花々が咲きはじめ、晩秋まで花を見られるコースです。木々の合間にみえる海と野鳥の鳴き声に癒されます。
▼宮の森コースから碧血碑までのルートから見える景色
▼碧血碑
碧血碑から函館八幡宮までは200メートル。函館山の樹木に囲まれた神社で木々の香り漂う北海道らしい神社です。
▼函館八幡宮
▼七曲りコース入り口
七曲りコース入り口は市道谷地頭17号線沿い、立待岬へ向かう途中にあります。函館山で一番起伏の激しい延長990メートルのコース。七曲りという名称は道が幾重にも曲がりくねっていることの例えで、実際は7ではなく、27もの曲がり角が続くのです。歩き始めてまもなく額から汗が……。
▼七曲コースにかけられた木札
曲がり角には木札がつけられています。最後は27番目の角です。ここには地蔵山見晴所があり、地蔵山コースへと続きます。急勾配を登り切ると広がる海の景色。晴れた日には近くに立待岬、遠くには下北半島まで眺望するロケーションが人気です。船の汽笛が響き、風情まで感じられます。
▼地蔵山見晴台
千畳敷休憩所から一足伸ばすと、千畳敷要塞跡も見学できます。千畳敷観測所から見る函館湾の風景もお見逃しなく。
▼千畳敷の休憩所と千畳敷観測所付近からの風景
入江山から山頂展望台へ!
次は入江山へ。海が近いためか森林の香りにも独特の深みを感じて心地良く、五感が潤い和やかな気持ちに。入江山観測所からも函館らしい海の景色を眺望します。その昔、見晴らしのいい場所に設置された観測所。軍事要塞の跡地はちょっと苦手……という人も開放感のあるロケーションに癒されるのでぜひ、お立ち寄りを。
つつじ山駐車場を通り、山頂展望台へ。売店でGLAYのTERUさんが絶賛しているというドン・デ・マカロニを食べてみました。
観音コースで下山!登山を終えたご褒美は……?
1時間ほど休憩をしたあと、観音コースへ向かい下山を開始。観音コースの入り口はつつじ山駐車場にあります。
観音コースは細い道が続きます。旧登山道にくらべて人通りも少なく静か。約25分で山上大神宮に到着。こちらも函館山の樹林に囲まれた神社です。鳥居の向こうに見える函館湾の風景は、登山を終えたあとのご褒美のよう。
▼山上大神宮の境内からは鳥居越しに函館湾を覗く
旅先でいつもと違ったチャレンジをしたいという人はぜひ! 紹介のコースは入り口と出口が異なるため、市電など公共の交通機関を利用しての登山をおすすめします。
▼函館山ふれあいセンター
所在地:函館市青柳町6-12
TEL 0138-22-6799
市電:宝来町電停下車徒歩20分
公式サイト