旭川の繁華街を歩いていると、ある場所だけ電柱が変な形をしていることに気づきます。はじめてその電柱を見た時、旭川はみなこんな形なのかなと思いましたが、その場所だけなのだということが歩いていてすぐにわかりました。いったいなぜその場所だけ電柱の形が変なのでしょう? 気になったので調べてみました。
変な形をした電柱
写真を見るとわかるように、電柱は建物にすごく近い位置に配置され、上の方でぐにゃりと曲がっています。曲がっているのは、ちょうど建物の2階と3階の間ぐらいからです。
▼ゆるいSの字に曲がっている電柱
いったいどうしてなのか、周辺を歩いている人に聞いてみました。「それが普通だと思っていました」と電柱が前に立っているビルで働いている店員さん。「電柱が曲がってることに気づきませんでした」と観光客。「ここだけ曲がっているのは知っていたけど、その理由を聞いたことってないなぁ」と旭川在住の会社員。10人ぐらいに聞いてみましたが、その答えを知っている人には出会えませんでした。
▼下から見るとますます変な感じ
なぜ曲がった電柱があるのか
どうして曲がった電柱なのでしょう? 電柱を建てているのは電力会社、ということで北海道電力に話を伺ってみました。
▼だんだん近未来のように見えてきた
1987(昭和62)年に、旭川市役所の側溝整備道路改良工事が行われ、その時に電柱の建替工事が発生しました。この場所は、道路幅が狭く、埋設されている上下水道などにより、電柱の設置場所が制限されてしまいました。そこでやむを得ず家屋寄りに設置せざるを得なくなったのだとか。しかし、この場所は繁華街であるため、看板などと電線との離隔を確保しなくてはならず、看板などを避けるためにこのような形状の電柱を採用したのだと説明してもらいました。ちなみに、この電柱はS型鋼管電柱と言うのだそうです。
▼曲がった電柱と真っ直ぐな電柱が隣同士に
設置されている場所についても聞いてみました。すると、旭川市2・3仲通の6丁目から8丁目にかけてと、旭川市3・4仲通の6丁目から8丁目にかけてわずか18本しか設置されていないということがわかりました。ちなみに北海道内には、ほかにも何カ所かS型鋼管電柱を設置しているところがあるそうです。
▼こんな光景も旭川名物!?
最後に、この電柱の今後についてお伺いしました。すると今のところ、新たにS型鋼管電柱を使用する予定はなく、しっかりメンテナンスをして可能な限り残していく、ということでした。
北海道電力(株)旭川支店
所在地:旭川市4条通12丁目1444番地の1
TEL:0166-23-1121