力だけでは勝てない!厚真発祥のウインタースポーツ「雪上3本引き」

【厚真町】雪の多い北海道で生まれたウインタースポーツは幾つかありますが、その中でも特にユニークで楽しいスポーツが、2007年に厚真町で生まれました。それが、雪上で行う3本綱引きです。同町発祥のスポーツで、毎年1月には町内で「あつま国際雪上3本引き大会」が行われてきました。雪上3本引きってどんなスポーツ?その醍醐味とは?このイベントの実行委員の方に聞きました。

厚真町発祥のウインタースポーツ「雪上3本引き」って?

雪上3本引きは、滑りやすい雪上で同時に3本の綱引きを行い、先に2本引ききったほうが勝ちという、シンプルながら、体力とチームワーク、頭脳戦が求められるスポーツです。

1セット1分間の3セット制(2セット選手で勝利)で、3本の綱を引きあうわけですが、出場メンバーは1チーム8人。つまり、人数を3人ずつ配分できないため、どの綱に人数を多く配置して勝ちに行くか、あるいはどの綱を捨てるかを、相手の配置を見ながら瞬時に判断して引かなければなりません。ですから、常に勝負する綱を判断できるチームが強いチームと言えます。

主なルール
・コートは幅15m×全長34m、ゴールライン間20m、そこからスタートラインまで7m
・各綱(赤・青・緑)の長さは16m、間隔は5m、各綱に副審を置く
・チーム登録は最大16名まで、競技者は女性1名以上を含む8名
・ヘッドギア・防寒着・手袋を着用し、スパイクのない長靴などを使用
・1セット1分、3セットを行い、2セット先取チームが勝利
・3本の綱のうち2本をゴールラインを超えるまで引いたチームの勝利

▼映像:前回大会と同じ顔ぶれとなった第7回大会決勝戦の模様

雪上3本引きが始まったのは2007年。雪上ではない3本引き(3色引き)は全国的にもレクリエーションで行われる競技ですが、厚真町でも昔から町民体育大会で夏の競技として行われてきたといいます。これを、家に閉じこもりがちになる冬季イベントとして行ったら滑って面白いのでは?という声を受け、有志らがルール作りを行い、実行委員会が組織されました。

近年は、札幌市・苫小牧市・千歳市など町外のチームも増えてきたといいますが、依然として町民で構成される参加チームが多く、大学生、高校生、職場や趣味仲間でチームを作っている傾向があるようです。甲子園経験者を要する野球チームや、元力士も参加したことがあります。

見て面白い!参加すると更に面白い!雪上3本引きの醍醐味とは

実行委員会によれば、雪上3本引きは「見て面白い」「参加すると更に面白い」スポーツ。見ていると疲労が少ないと思うかもしれませんが、走って、引っ張って、さらに別の綱に走って、引っ張って、というのは、単純な綱引きと異なり、スピードとパワー、チームワークが重要となります。

観戦ポイントとしては、パワーVSスピードがあり、パワー系選手をメインとするチームに、スピード系のチームが勝利すると盛り上がる傾向にあります。これまでパワー系が強いとされてきましたが、2015年開催からスタートラインが2mバックすることになり、スピード系チームにも勝算が増えると予想されています。

雪上ゆえスタートダッシュが一番滑るので、2人1組になって、1人が後ろに下がり足を固定し、滑らないように前の選手のスタートブロックとするなど、各チームで戦略があります。また、自陣エリアに綱を引くと、体力消耗を防ぐためその場に座り込み(ホールド)タイムアップを待つというチームもあります。それぞれの戦略も見所の一つです。

第8回あつま国際雪上3本引き大会
日時:2015年1月18日(日)9:00受付
場所:厚真町かしわ公園野球場
優勝賞金20万円、準優勝10万円、3位5万円、4位3万円、副賞として厚真産さくら米など豪華賞品
参加費1人500円(昼食付)
参加申込は2014年12月19日(金)までに実行委員会(厚真町商工会内、TEL0145-27-2456)にFAX/郵送/窓口で申込書提出
最新情報は公式Facebookページ参照
写真提供:あつま国際雪上3本引き大会実行委員会