え!! 白いエゾリス!? 帯広畜産大学で珍しい姿が確認され話題に

北海道では、野生の動物が数多く暮らしています。エゾリスも、そんな動物たちの仲間。札幌市内でも、少し自然の多い場所に行けば愛くるしい姿と出会うことが可能です。さらに昨年(2017年)秋頃から帯広市で確認されるようになったのが、珍しい白いエゾリスの存在です。しかも大学構内で、しかも1匹だけ。これはぜひ会ってみたいと思い、北海道ファンマガジンはすぐさま帯広へと向かいました。(トップ写真提供:三津田薫)

果たして白いエゾリスと会えるのか!?

▼白い雪の上で、白い姿が映える

そもそもエゾリスは、冬眠をしません。1年を通して、その姿を確認することができます。特に冬になると、エゾリスはふわふわの冬毛をまとい、特徴的な耳の毛もふさふさして、より愛くるしさに磨きがかかります。ただでさえ可愛らしいエゾリスなのに、さらにその毛が真っ白だというのだから、想像しただけで胸が高鳴ります。

▼耳毛もふさふさ、尻尾もふわふわ(写真提供:三津田薫)

白いエゾリスが発見されたのは、帯広畜産大学構内です。もともとこの大学にはエゾリスが多く生息しており、野生動物として学生たちと適度な距離を保ってきました。郊外に住む「田舎のリス」に比べて、人に順応しているのがこうした「都会型のリス」の性質なのだそう。

さて、北海道ファンマガジンの取材陣は、白いエゾリスに出会えたのでしょうか?

▼「誰か、私のこと、呼んだ?」

取材1日目は、残念ながら空振り。それではと、2日目は朝早くから出かけたところ、これがビンゴ! 噂の白いエゾリスに、とうとう出会うことができました。想像以上に愛くるしい姿に、夢中でシャッターを切ります。気がつけば、同じようにカメラを構えた人たちが、集まってきていました。やはり白いエゾリスは地元でも話題になっていて、人気のようです。

大切なのはお互いを尊重し合うこと

▼白い毛に加え、赤い目も印象的

これは専門家にぜひお話を伺いたいと、帯広畜産大学の理事・副学長であり、野生動物管理学研究室の栁川久先生にお話を伺いました。

「白いエゾリス、つまりアルビノ種の出現率は不明です。ただ、私自身ちょうど30年ほど大学にいますが、完全なアルビノのリスを見るのは初めてです。道内の他の地域からの例も、これまでに1~2件聞いた程度です」(栁川久先生)

やはり、かなり珍しい、貴重な個体のようです。

▼手前の通常のエゾリスと比べると、違いは歴然

この白いエゾリスについて、分かっていることを教えてください。

「2017年春の生まれで、雌のエゾリスです。基本は他のリスと同じですが、行動を見る限り多少おっとりしていて、天然だと思います。野外だと3年以上生きる個体は稀で、1年以上生き残ることができるのも、産まれた子の4分の1程度です。この白い子も、この冬を乗り切るのが試練でしょう」(栁川久先生)

今しか出会えるチャンスはないのかもしれない、白いエゾリス。そう考えると、野生の命の儚さを思い知らされます。

ここで帯広畜産大学の構内マップをご覧いただきましょう。

▼会いに来る時は必ずマナーを守って!(マップ提供:帯広畜産大学)

エゾリスがよく見かけられるのは、地図の左上あたり、体育館とひと続きの「武道場」の前あたりです。自動車で訪れる場合は、地図の右上あたり、赤く囲った「外来P」に必ず駐車するようにしてください。

「大学は人の出入りを規制しませんが、学生、教職員、周囲の方々、そしてエゾリスを含む野生動物に迷惑をかけるような行為は厳に慎んでください」と、栁川久先生もおっしゃっています。リスに餌付けするなどの行為も、断じて許されるものではありません。

こうしたマナーを厳守しつつ、ぜひ白いエゾリスの貴重な姿を観察してみてください。決して追いかけ回さずに、静かに見守っていれば、リスの方から寄って来てくれることもあるそうですよ。

【動画】動画で見る白いエゾリス

帯広畜産大学
所在地:北海道帯広市稲田町西2線11番地
問い合わせ先:0155-49-5995(基金・広報係)
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