網走ニポポ倶楽部代表・伊藤正範さんに聞く ニポポの4つの魅力とは?

AIR-G'(FM北海道)レギュラー番組「laufenのkita-note」とのコラボ企画

みなさんこんにちは。
オホーツク観光大使ラウフェンCukaです。

こちらの記事では、laufenが担当しているAir-G'(FM北海道)の番組「laufenのkita-note」で知床、オホーツクについて取材した模様を文字と写真でリポートします。

<第48回ゲスト>網走ニポポ倶楽部代表・伊藤正範さん(2016年1月7日放送)

―― laufenのkita-note、Cukaがお送りしています。
皆さんは網走のニポポ人形を知っていますか?今日は網走のニポポについて、ニポポファンで作る「網走ニポポ倶楽部」代表の伊藤正範さんにお話を伺います。
イランカラプテ!(Cuka)

伊藤:よろしくお願いします。

―― ニポポの誕生のきっかけは何だったのでしょうか?

伊藤:まずルーツとなった樺太アイヌ民族のニポポがどういうものか少しご説明しますね。
ニポポとは彼らの言葉で「木の小さな子」又は「人形」を意味していまして、願い事を叶えてくれたり幸福をもたらしてくれると信じられています。
わかりやすく言うとお祈りの対象、お守りのようなものだったようで、山へ狩りに行くときや海へ猟に出るときには必ずこのニポポに豊漁や安全の願掛けをしたそうです。
収獲した獲物を人間が食べる前に、まずニポポの口に与えて感謝し、特別な願い事を叶えてくれたときには美しい刺繍などを施したショールを首に巻いてあげたとも言われています。
網走のニポポは樺太から持ち帰ったニポポ人形を参考に、網走オリジナルの民芸品を作ろうと市内の有志が試行錯誤を重ね、昭和29年(1954年)に誕生したと聞いています。

―― 網走ニポポの魅力はどういったところでしょうか?

伊藤:ニポポの魅力はいくつもあるのですが、あえて挙げるとするなら4つほどあります。
単なる置物ではなく願掛けに使われる北方少数民族のお守りがルーツで、網走のみで制作と販売が行われているということ。
目が横一直線で上から見ると笑顔に、下から見ると泣き顔に見えるというところ。
塗料を塗らないので世界に1つしかない木目模様を楽しめること。
作り手によって全体のバランスや顔立ちが微妙に異なっているということなどが挙げられます。
時代によってその時の流行のようなものがあって面白いです。

―― 網走に行くと市内にニポポ像がたくさんありますよね、どのような場所にあるのか主なものを教えてください。

伊藤:網走市内には、まずJR網走駅を降りたすぐ前の3体ある街灯の傘がニポポになっており、私はニポポの3兄弟と呼んでいます。
他にも名勝天都山にあるオホーツク流氷館横の大きなニポポのモニュメント、網走監獄博物館の敷地には私がニポポの女神と呼んでいる可愛らしいニポポがありますし、街の中央商店街の中にもあります。
ユニークなものは、網走刑務所の敷地の中にある網走川堤防フェンスなのですが、木の支柱全てがニポポで、数えると335体あります。



―― そんなにあるんですか!

伊藤:はい、その他にも網走ニポポの原型、先ほどお話したルーツとなった樺太アイヌの木彫り人形は北方民族博物館の中に、試作品として作られた最も古いニポポではないかと思われる150センチのニポポは網走市郷土博物館の中に展示されています。
そして網走から知床に向かう鱒浦海岸には世界最大の巨大ニポポがあります。

―― その巨大ニポポ気になっていたんです、とても大きいですよね。

伊藤:隣接してドライブインがあり、昔はその屋上に展示されていたのですが、知床が世界自然遺産に登録されるにあたり知床連山の景観と少し被ってしまう為、下に降ろしたと聞いています。

―― そんなエピソードがあったんですか。
今は海を眺めるように駐車場にニポポが大きくドンと立っていますね。
伊藤さんが考える北海道・網走らしい音はどんなものでしょうか?

伊藤:どこでも聞けないオホーツクならではの音ということでは、やはり流氷になりますね。
流氷の軋む音、接岸したときに流氷と流氷が擦れてキィーという音が出るのですが、地元では流氷鳴き、流氷鳴りと呼んでいます。
ぜひこの冬はオホーツクに行って、本物の流氷鳴きを近くで聞いていただきたいですね。

―― はい、そしてニポポもぜひチェックしてください!
今日は網走のニポポについて、ニポポファンで作る「網走ニポポ倶楽部」代表の伊藤正範さんにお話を伺いました、ありがとうございました。

網走ニポポ倶楽部

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