みなさんこんにちは。
オホーツク観光大使ラウフェンCukaです。
こちらの記事では、laufenが担当しているAir-G'(FM北海道)の番組「laufenのkita-note」で知床、オホーツクについて取材した模様を文字と写真でリポートします。
<第36回ゲスト>元斜里町長・午来昌さん(2015年7月9日放送)
―― laufenのkita-note、Cukaがお送りしています。
私の故郷知床が、ユネスコ世界遺産に登録されてから今月で10周年になります!
今日は元斜里町の町長、午来昌さんに知床について色々お話を伺います。イランカラプテ!(Cuka)
午来:イランカラプテ!
―― 午来さんが町長を務めていらっしゃったときに知床が世界遺産に登録されたんですよね。
午来:はい。
―― どういった経緯で世界遺産に登録しようという流れになったのでしょうか?
午来:屋久島と白神山地が平成5年(1993年)に世界遺産登録になりましたよね? そのとき北海道が何も手を上げなかったことが意外だったんです。
北海道には豊かな自然がこんなにたくさんあるのにどうして手を上げなかったのかなと思い、それから活動を始めたんですよ。
―― 登録されるまでには、どんな取り組みをしたんですか?
隣の町の羅臼町が賛同してくれなければこの夢は実現しないなと考えていたのですが、斜里町が自然遺産に向かって調査を始めたとき、当時の羅臼町の方々に「一緒にやりましょう」と前向きに言っていただけて、これはもう百人力だなと思いました。
平成6年(1994年)になってから羅臼の町長さんと一緒に道庁へ行きまして、今だから言えるのですが当時は関心を示されなかったんです。
北海道には約23万haの大雪山国立公園があるので、まずはそっちだろうということで終わってたんですよ。
―― えっ、そうだったんですか?
午来:はい、知床の小さな半島が自然遺産になんてならないと言われてしまったので、悔しさをばねに取りかかったんです。
その後色々な所で会合なんかもありまして、そこで当時ユネスコの副委員長をやっていたビング・ルーカス氏と知り合って知床半島を見てもらったのですが「Mr.午来、知床は素晴らしい。あなたの情熱が人を動かすから、そういう気持ちを失わずに行動したほうがいい」と言っていただいたので、その言葉を常に頭に思い起こしながら色々理解を求める努力をしてきました。
―― その思いが通じて世界遺産に登録され、それから知床に興味を持つ方や、訪れる人が増えたんですね。
午来:でもやはり、色々な方の協力が無ければできなかったことですね。訪れる人たちは、海外の方も含めて少人数のグループでお越しいただいていることもあるようで、彼らは車をあまり使わずに歩くんです。
知床五湖までウトロ側を歩いたり、ゆっくり自然の中に入って何かを感じ取って帰られるという方が徐々に増えてきています。
それと、統計を取ると50%以上の人たちが知床に毎年のように訪れていただいているようで、そういった方々もどんどん定着してきています。
数だけ入れればいいというものではない。一晩泊まって帰るだけではなく、ゆっくりのんびり2日でも3日でも知床を見てもらうことができないと、知床の本当の姿というのはなかなか味わうことができないかなと思います。
―― そうですね、1日だと中々まわりきれないというのが現実なのではないかと思います。
本当の魅力を知るには何回でも訪れていただきたいですよね。
これからの10年、残していきたい、守らなくてはいけないと考えるのはどんな部分でしょうか?
午来:未来に何を残すかということが一番大事なことなんだと。
斜里町も羅臼町も知床半島全域を世界自然遺産に登録することで、そこで自然の恵みを受けて暮らしてきた人や動物たち全ての物が守り、そして生かされて今日を迎えているんだから、そのことを私たちは将来の夢としてぜひとも実現したい。
そんな思いを失わずにやって来たつもりです。
―― 午来さんが考える知床らしい音とはどんなものでしょうか?
午来:やはり流氷の軋む音だとか、オジロワシやオオワシが鳴く声、風の音、吹雪の音とかではないかと思いますね。
地元にいないと聴こえない音が沢山あって、一晩泊まっただけで全部の音を聴くのは難しいと思うので、是非何日も、何回も知床に来て欲しいですね。
―― 知床へ何回も行って、耳を澄ましてじっくり聴いてもらいたいですね。
午来:はい。
―― 今日は元斜里町長の午来昌さんにお話を伺いました、ありがとうございました!
午来:どうもありがとうございます!
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