みなさんこんにちは。
オホーツク観光大使ラウフェンCukaです。
こちらの記事では、laufenが担当しているAir-G'(FM北海道)の番組「laufenのkita-note」で知床について取材した模様を文字と写真でリポートします。
コラボ企画第7回目は、知床財団の研究員、石名坂豪(いしなざかつよし)さんに色々なお話を伺いました。
<第7回ゲスト>公益財団法人知床財団研究員・石名坂豪さん(2014年6月5日放送)
―― laufenのkita-note、Cukaがお送りしています。この番組では毎週知床に関わる様々な方をご紹介します。
今夜のこの時間は公益財団法人、知床財団の研究員、石名坂豪さんに知床の熊について教えていただこうと思います。
今、石名坂さんとお電話が繋がっています。もしもし。(Cuka)
石名坂:もしもし。
―― こんばんは、よろしくお願いします。
石名坂:よろしくお願いいたします。
―― 石名坂さんは北海道大学で獣医学の研究をされて、熊、鹿、アザラシ、トドなどにもとても詳しいと伺ってます。
今、知床一帯には何頭ぐらいの熊がいるんですか?
石名坂:なかなか森の中にいる熊の正確な数を調べるというのは難しいことなんですけども、ざっと300~400頭くらいはいるのではないかと言われています。
―― 今の時期って熊はどんな行動をしているんでしょうか?
石名坂:大体遅くてもゴールデンウィーク頃には皆冬眠からは覚めているんですね。
大分最近新緑も出てきて草等も芽吹いてきましたので、私たち今ほぼ毎日知床で仕事上熊と出会っているんですけれども、ほとんどの熊が今新しく芽吹いてきた草を食べたりしていますね。
―― 以前と比べて熊の数や生態が変わってきたと感じることはありますか?
石名坂:そうですね、Cukaさんも知床でお育ちなのでおそらく実感されているかとは思いますけれども、一昔前に比べてずいぶんと熊が人前に姿を晒すようになってきたなというのは私自身感じています。
―― そうですね……。
石名坂:知床ではですね、人間に目撃された熊の件数の統計を取っているんですけれども、そのデータによりますと、知床半島の西側の斜里町ではですね、1995年を境に急激に目撃件数が増えているんですね。
熊の数自体が増えたかどうかというのはなかなか正確なことは言いにくいんですけれども。
―― はい。
石名坂:ごく一部の非常に人間を警戒しないような、特定のそういう熊が何度も何度も目撃されて、そういった熊が目撃件数全体を押し上げているという傾向は見て取れます。
―― 熊がどうしてこう人馴れするようになってきてしまったんでしょうか?
石名坂:1990年頃まではですね、北海道では春先の冬眠から目覚めたばかりの熊ですとか、まだ冬眠の穴にいるような熊を捕りにわざわざ山の中に北海道中で行っていたんですね。
それがちょっとあまりにも熊を減らしてしまうということで、そういった政策が1990年頃にやめられたんです。
―― そういうことが行なわれていたのですか!?
石名坂:おそらくは山の中にいる熊も含めてほとんど大部分の熊が、人間がずかずかと自分たちの生活圏に入ってきて追いかけまわされて場合によっては仲間が近くで殺されてというようなことで非常に怖い思いをしていたので、人間は怖い生き物だということを学んでいたと思うのですけれども、今の熊はそういった経験を全然していない個体が大部分のはずなのでおそらく人間というものが全く怖くないという熊が増えているんだと思いますね。
―― なるほど。
石名坂:初めは出会ったことがなくてなんだかよくわからない動きをする生き物で「ちょっと嫌だな」といって避けているような熊であっても、何度か人前に出てくるうちに「なんだ写真撮るだけじゃないか」というようなことが繰り返されるとだんだん人間の存在を気にしなくなっていくという……
知床世界遺産で、熊はある意味知床の大きな観光資源の一つだと思うんですね。
―― はい。
石名坂:なので熊の写真を撮ること自体は否定する気は私もないのですけれども、やはりやり方と程度の問題があると思いますね。
あまりにしつこく撮影をし続けたり、あるいはあまりに近くまで近付いて写真を撮り続けるということを繰り返すとどんどん熊は人間を怖がらなくなってしまいますので……。
―― 確かに……。この続きはまた来週聞かせてください。この時間は知床財団の石名坂豪さんにお話を伺いました。
ありがとうございました。
石名坂:ありがとうございました。
※インタビューは2014年5月下旬のものです。
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編集後記
今回は熊についての貴重なお話を伺うことができました。
熊が人間にどんどん慣れていってしまっているというお話は衝撃的でしたね……。
次回もまたお楽しみに!
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