期間限定「男山」の花―道内最大級のカタクリ群落が見頃

【旭川市】 旭川の地酒といえば「男山」。その「男山」に素敵な自然公園がある。開園期間が毎年一か月弱と短いのだが、その壮大な自然に身も心も奪われる。

旭川市東山にある「男山自然公園」は、32ヘクタールにわたる広大な森林地帯があり、道内最大級のカタクリの原生花園の群落なのである。ゴールデンウイークが終わると散り始めとの情報だが、公園自体の開園が5月11日まで、加えて身近に自然を感じられる場所ということがあり、いち早く執筆するに至った。

「カタクリ」とはこんな花

「私悪くないですよ」と言わんばかりに少しうつむき加減、猜疑心と好奇心が混沌とする雰囲気を醸し出す可憐な花、「カタクリ」を皆様はご存知だろうか。

▼カタクリ

紫色をしており、花に日が当たると花被片が開き反り返り、日差しがない日は終日花が閉じたまま。群落での開花期間は2週間程と短い。可憐でどこか儚さをも匂わせるのだ。

大自然の中を歩く

北海道は空に向かって真っすぐに伸びる木々が多い。本州では見られない風景だ。森に足を踏み入れた瞬間、映画や映像の中に自身がいるような感覚になり、すっと息を吸い込む。

森は一周850メートル、まずは上り坂からのスタートだ。上り坂と言っても年齢問わず散策することのできる程の緩やかさであるが、嬉しい配慮として、木で作られた杖を自由に使うことができる。

▼坂。木製の杖もある

カタクリの群落ではあるが、他にもエゾエンゴサク・フクジュソウ・ザゼンソウを見ることができた。特に目を奪われるのはカタクリとエゾエンゴサクの紫と青、色の共演である。迫力という表現ではなく妖精が遊んでいそうな可愛い絨毯。場所によって紫と青の比率が違い、様々な花の表情を楽しむことができる。

▼カタクリとエゾエンゴサクの共演


さて、中間地点あたりまで到着。

ここからは下り坂。本格的な登山でも、上りより下りの方が気を付けなければいけないので、足元に注意しながら下りていく。本当にいい運動、普段歩く機会の少ない方にもおすすめだ。道だけではなく、途中、橋や丸太のベンチが置かれていたりと、大人でも遊び心をくすぐられるような楽しみが細部に施されていた。見渡すと年齢・性別問わず散策されている方が多いのも納得できる。あと少しで一周というところでザゼンソウの群落も見ることができた。

▼ザゼンソウ群落とザゼンソウ

まさかの別ルート

ゆっくり回って約一時間。31歳、ほどよい疲れと汗とさわやかな笑顔が光ったところで。

なんと!写真の通りなんともう一つコースがあるではないか。31歳、ライターとしての自分と取材しきった感と残存体力との葛藤。
結果、こちらには行くことができず(申し訳ない)。だが、満開の時期が終わった今からはこちらのコースが見頃になるようだ。先にも書いたように、こちらでもカタクリ以外の花も鑑賞することができる。

見どころたくさんの上川

上川管内には規模の大小関わらず、こうして自然を楽しむことができる場所がたくさんある。自身の話をして恐縮だが、上川管内に越してきて実はまだ数か月なのである。その私がこうして興奮気味に書いているのが良い例だ。先ほどの回りきれなかったなどという残念なことが起きぬよう、常にアグレッシヴに動くことができるよう努めてゆく。

最後にナベサユ執筆第一回の記事を拝読いただいたことに心から感謝いたします。

男山自然公園
旭川市東山、国道40号線・突哨山 [地図]
TEL:0166-57-2131
2014年の開園期間:4月19日(土)~5月11日(日)9:00~17:00
入園無料、駐車場500台
ウェブサイト