【北広島市】北広島市島松の沢にある「国指定史跡旧島松駅逓所」で寒地稲作成功140周年を記念したライトアップが行われている。歴史的な木造建築物が夕闇に浮かび上がる光景は感動的で、夜にもかかわらず人々が続々訪れている。
旧島松駅逓所についてはこちらのページが詳しいが、駅逓所とは、現在で言うと宿泊施設と道の駅を兼ね備えた、当時の旅では欠かせなかった施設。現在の国道36号線(当時:札幌本道)が開削されたのに伴って、1873年に当地に設置されたのが始まり。駅逓は道内各地に多数設置されたが、島松駅逓所は現存する道内最古の駅逓施設であり、内部も公開されている。
その島松駅逓を1884年以降経営した中山久蔵氏は、寒冷地である北海道で稲作普及のために尽力した人物としても知られる。1873年秋には一反当たり345kgの赤毛米を収穫することに成功したという。それから140年を迎えた2013年、北広島市では「寒地稲作発祥140周年記念事業」とし、その一環で初めて旧島松駅逓所と周辺をライトアップする記念事業を実施することとなった。
ライトアップは旧島松駅逓所の建物外観だけでなく、隣接するハス池、2013年5月に約2倍に拡張され、6月に北広島市立西部小学校4年生により赤毛種の田植え体験が行われた赤毛米見本田、寒地稲作発祥の地碑もライトアップされている。管理人によれば、建物もオススメだが、寒地稲作発祥の地碑は光が当たると真っ白に浮かび上がりお気に入りだという。建物前や通路、メイン道路沿いには、同小学校児童が準備した灯籠も配置されている。灯篭にはキャラクターまいピーや赤毛米のイラストが描かれている。
ライトアップは2013年9月21日から28日までの17:00~20:00。17:30頃まではまだ明るく、スタッフによる灯籠点灯準備も行われているため、ライトアップ見学には適さないが、18:00頃には暗闇に駅逓所が浮かび上がる。
また、時間内に限っては内部も無料開放しており(通常入館料大人200円)、市民コンシェルジュによる案内を実施しているので、この機会に是非訪れていただきたい。無料送迎バスを北広島市役所・北広島駅東口から1往復運行しているのでこちらも利用可能だ(駅17:40発→旧島松駅逓所18:00着・19:20発→駅19:40着)。
▼国指定史跡旧島松駅逓所
北広島市島松1番地
ライトアップ:17:00~20:00
見学・入館無料
最終日の28日は「久蔵祭」も開催。北広島のご当地グルメが登場する。