日本の桜といえばソメイヨシノ。この種は寒さに強いわけではないので、北海道全域で見られるわけではありません。北海道では、松前町・函館市など道南でよく見られます。では、ソメイヨシノの北限はどこなのでしょうか。その答えが、この記事で紹介する東明公園(とうめいこうえん)。美唄市市街地に近い場所にある桜の名所です。
ソメイヨシノ群生地の北限には2000本の桜が
東明公園は、道央自動車道美唄ICの近くに位置し、33万5000m2の広大な面積を誇る都市公園です。特に春は、空知管内随一の桜スポットとして多くの人が訪れます。
公園内では、ソメイヨシノ、エゾヤマザクラ、ヤエザクラ、チシマザクラ、マツマエザクラといった種類の桜が合計約2000本あります(2018年現在)。桜のほか、エゾヤマツツジ、エゾムラサキツツジなどツツジが約5000本見られ、ちょうど桜の開花時期に合わせて共演します。
▼東明公園の桜マップ
メインとなるのはソメイヨシノ。公園の南端を通る道路は、このソメイヨシノの花が両側に咲く桜並木となります。この道路は自家用車で走ることができ、途中に駐車場スペースが2か所設けられています。
▼公園南東側の入口。公園外の団地にも桜並木が
▼公園南西側の入口。ソメイヨシノの桜並木が歓迎してくれる
▼公園の桜並木はソメイヨシノが中心
桜並木のソメイヨシノは、美唄ライオンズクラブが東明公園を桜の名所にすべく、植樹して美唄市に寄贈したものです。1981年5月から1989年までの9年間に、松前産の桜の木350本が植樹されました。
桜並木のソメイヨシノの他、スペースカリヨンの周辺にはチシマザクラ、ヤエザクラ、エゾヤマザクラが観察できます。公園の北側には人工池があり、池のほとりに咲くエゾヤマザクラも見どころです。
▼池と桜のコラボレーション
東明公園で花見をするには、南東部の展望塔「スペースカリヨン」周辺に見どころが集中しているため、まずはここを目指しましょう。
展望塔「スペースカリヨン」から見てみよう!
▼ひときわ目立つスペースカリヨン
展望塔の「スペースカリヨン」は、美唄市開基100年記念として1990年に建築されたモニュメントであり、美唄市の過去現在未来をイメージしているのだそう。形状が宇宙型であることにちなみ、この名称がつけられました。
オランダ製の鐘が24個取り付けられており、1時間ごとに音楽を発する施設として知られてきました(7:00~21:00の1日15回、メンテナンスによりメロディがならない時もあり)。スペックは、直径約10m、高さ27m、螺旋階段で100段あり、エレベーターはついていません。高さ18mのところにある展望台からは、北部にある池や桜の木々を眼下に望みます。
▼スペースカリヨン展望台から見る公園全貌
これとは別に、標高240mにある「ふるさとの見える丘展望台」もあります。車で約1km山道を登り、約20台収容の駐車場に駐車することになります。ここからは、西の方角に空知地方の平野を一望できます。
公園内には他の施設としてテニスコート、陸上競技場、野球場など運動施設が完備されており、市民の憩いの場、レクリエーションの場ともなっています。ちなみに、歌手の森山直太郎さんがテレビ番組で「さくら」を歌った際、ここ東明公園で撮影されました。
桜が見ごろを迎える時期には、「びばいさくら」と呼ばれるイベントがこの公園で開催されます。夜には花火の打ち上げも。花見の季節には、美唄市の東明公園もお忘れなく。
【動画】動画で見る東明公園の桜