最近、菜の花のまちとして滝川市が有名になっていることをご存じですか? 空知地方の中部に位置する滝川市が菜の花栽培に力を入れだしたのは平成に入ってからのこと。今では観光客が次々と訪れる春の人気スポットになっています。
見渡すかぎり真っ黄色な絨毯を敷き詰めたような大地。目にも鮮やかなビタミンカラーに、元気をもらいに出かけてきました。
毎年盛況「たきかわ菜の花まつり」
菜の花の見頃は5月の中旬ぐらい。滝川市では、菜の花がいちばん美しく見える一週間を「菜の花ウィーク」、そのうちの土日に「たきかわ菜の花まつり」を開催しています。今年(2017年)は、5月15日(月)から5月23日(火)が菜の花ウィークで、20日(土)と21日(日)が「菜の花まつり」でした。
▼菜の花畑の向こうに見える暑寒別連山
そもそものはじまりは、1989(平成元)年頃から道立植物遺伝資源センターが滝川地域での菜の花の適応試験を実施したことでした。その結果、滝川の大地に菜の花が適応していることが分かり、地域が一体となって菜の花栽培に取り組むようになりました。
栽培の技術力は年々向上し、1999(平成11)年頃には栽培面積がさらに拡大。2015(平成27)年には作付面積が日本一になりました。以来、3年連続で作付面積日本一を誇っています。
▼これが作付面積日本一の景色!
「たきかわ菜の花まつり」が最初に開催されたのは2000(平成12)年。ナタネ生産者、JA、市役所などが中心となって実施されました。今年で18回目を迎え、菜の花を一目見ようと訪れる観光客は昨年11万人を超えました。「菜の花のまち滝川」は、すっかり定着した感があります。
▼近くで見ても可憐な菜の花
菜の花から作られた商品もいろいろ
滝川市で作られる菜の花のうち8割は大手メーカーに買い取られていきます。残りの2割は、滝川市で加工され、さまざまな商品となって観光客にも喜ばれています。ここで、JAたきかわから発売されているものをいくつか紹介しておきましょう。
なたね油
新鮮な菜種から作られた「なたね油」は、まろやかで体に優しく、とてもヘルシーです。遺伝子を組み換えていない滝川産の菜種を使用しているので安全です。
菜の花オニオンソース
ステーキやハンバーグ、ゆで野菜など、何にでも使える万能ソースです。圧力をかけて搾り、ろ過しただけのなたね油を使用しているため、添加物は一切なく、なたねの風味が生きています。
その他、オイルソースや花びら入りふりかけなど、JAたきかわ以外からも菜の花関連の商品も発売されています。
菜の花は連作ができないため、毎年畑の場所が変わります。訪れる際には、滝川市役所やたきかわ観光協会のホームページに掲載されるマップを確認しましょう。
また、観光客が増えるのは滝川市にとってうれしいことである反面、問題が浮上してきているのも事実です。実は、菜の花畑はもともと観光用に作られているものではないため、駐車場がありません。菜の花ウィーク時には臨時の駐車場を設けて観光客に備えますが、路上駐車が作業用の車の通行を妨げるという問題が頻発しています。車で行く人は「道の駅たきかわ」に駐車して、バスやタクシーを利用することをおすすめします。
ともあれ、視界が真っ黄色に染まる景色は一見の価値あり。真っ直ぐにすくすくと伸びている菜の花に元気をもらえること間違いなしなので、一度訪れてみてはいかがでしょうか?
※2017年6月2日:道立植物遺伝資源センターの名称に誤りがありました。お詫びし訂正いたします。編集部