なぜ砂川市にはお菓子屋さんが多いの?砂川市とお菓子の関係に迫る

国道12号線を中心に広がる、砂川市の「すながわスイートロード」。老舗のお店から話題のお店までバラエティ豊かなお菓子屋さんが集まり、北海道民ならずとも、スイーツ好きなら一度は訪れてみたい憧れの場所。そう、すながわスイートロードは、今やスイーツ好きにとっての聖地と言っても過言ではないはず!

しかし、そもそもなぜ砂川市にこれほどお菓屋さんが多いのでしょう? そしてスイートロードが誕生した経緯とは? 気になるあれやこれやを砂川市に直撃取材してみました。

▼砂川市役所がすながわスイートロード協議会の事務局になっている

意外と古い!? 砂川市とお菓子の関係

札幌市から約80kmの距離にある砂川市。高速道路を使えば車で45分、JR特急だと約50分ほどで到着する近さです。

砂川市には、もともと100年を越える歴史を持つ商店街がありました。空知が炭鉱で栄えていた当時、砂川駅は交通の要として坑夫や工場で働く人々で溢れ、商店街も活気に満ちていました。肉体労働に励む彼らの疲れを癒やしていたのが、お菓子です。家族や親戚へのお土産にも重宝がられ、砂川の菓子業はどんどん発展していったのです。

そうした中、砂川市の菓子店は独自の組合を構成し、積極的に活動してきました。組合青年部による地域交流は実に30年も前から実施されており、親子で参加できるケーキ作りの講習会や、授産施設での講習会など、お菓子を通じて地域に貢献しようという取り組みは脈々と受け継がれています。

砂川市にとってお菓子は、単なるおやつの枠を越えた、まさに地域の癒やしと笑顔をつくってくれる大きな存在だったのです。

スイートロードまでの紆余曲折

数多くの魅力的なお菓子屋さんがある砂川市に、スイートロード構想が生まれてきたのは、必然のことだったのでしょう。しかし、物事はそうすんなりとは運びませんでした。

「お菓子屋さんの力をお借りして、砂川市の街を元気にしたいというのが、スイートロード構想のコンセプトでした。企画発案から数年後、ようやく2000年に砂川市の第5期総合計画の中に盛り込まれました。ところが、肝心のお菓子屋さんから断られてしまったんです」

と、苦笑いしながら当時を振り返ってくれたのは、すながわスイートロード協議会会長の堀江和美さん。

「一店舗一店舗、それぞれにそれぞれのポリシーがあり、それを貫き通したいという高い意識が、なかなか首を縦に振ってもらえなかった理由でした。1年ほどかけて説明し、今のままで結構だから手伝ってほしいとお願いし、ようやく私たちのコンセプトを理解していただいたんです」

お菓子屋さんの力を借りてこそ成り立つ、すながわスイートロード構想。市と菓子業者の協力を得て、2002年にようやくその第一歩を踏み出したのでした。

▼すながわスイートロード協議会会長の堀江和美さん

なぜ「スイートロード」に? 名前の由来とは

それにしても、スイーツという言葉がすっかり日常に定着した昨今。すながわスイートロードはなぜスイーツではなくスイートと名付けられたのでしょうか? 砂川市役所商工観光係の森藤貴洋さんに教えてもらいました。

「すながわスイートロードのスイートには、もちろん甘い物を指すスイーツという意味も含まれています。と同時に、美しい、うれしい、心地よいといった形容詞の意味も含まれているんです」

なるほど、確かにスイーツは見た目に美しく、食べるとうれしく、心地よい気持ちに包み込んでくれます。最初は8店舗だったお菓子屋さんも、現在では16店舗にまで増えました。週末ともなれば道内外からたくさんのスイーツファンが集まります。すながわスイートロードは、徐々にその知名度を広げつつあるのです。

また、すながわスイートロード協議会が中心となって、さまざまなイベントも行われています。子どもも楽しめるお菓子作り体験や、2016年で9回目を迎えた「すながわスイーツフェスタ」などなど。発足当初のコンセプト「砂川市の街を元気にしたい」という思いが、こうしたイベントにしっかり反映されています。

▼砂川市役所商工観光係の森藤貴洋さん

北海道ファンマガジンでは、12月より毎月1回、すながわスイートロードのお菓子屋さんを紹介していく予定です。記念すべき第1回目は、北菓楼砂川本店。こちらもどうぞお楽しみに!

すながわスイートロード協議会
事務局:砂川市役所経済部商工労働観光課内
所在地:北海道砂川市西6条北3丁目1-1
電話:0125-54-2121
FAX:0125-54-2568
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