北見地方の人たちは本当に「そだねー」を使っているのか?聞いてみた

平昌冬季オリンピックで銅メダルを獲得したカーリング女子日本代表。「LS北見(ロコ・ソラーレ)」のメンバーがよく使う言葉「そだねー」が注目され、今年の流行語大賞候補と言われるまでになりました。音楽業界も注目しているというから驚きです。

「そだねー」は北海道、特に北見地方で使われる方言だと言います。では、地元・北見地方では本当に使うことが多いのでしょうか? 今回は「そだねー」の本音に迫ります。

そもそも北海道弁なのか問題

今回広まっている「そだねー」は「そうだねー」と意味を同じくする言葉。北海道の方言として紹介されることの多い言葉ですが、「そだねー=北海道弁」とすることに疑問を持つ道民も少なくありません。「道民は『そだねー』を使わない」とか「北海道弁と言われて逆に驚いている」という声が多く聞かれます。

しかし、北海道は広い。そう回答する道民の多くは、北海道の人口の3分の2を占める札幌圏の住民だったりするわけです。この地域では標準語が多く使われることもあり、「そだねー」を聞く機会がそもそも多くありません。「そうだねー」の使用率のほうが多いでしょう。ですから、割合でいえば、道民の多くが違和感を持つのも不思議ではありません。

そこで問題になってくるのが、地元北見で使われている言葉なのかどうかということ。そこで、LS北見のメンバーと同世代で、北見地方在住者や出身者の若い女性に、「そだねー」を日常的に使っているのか聞いてみることにしました。

今まで意識したことがなかった

「今まで意識したことがなかったのですが、日ごろから使っている気がします。本当に意識したことがありませんでした。『そだねー』や『したっけねー』(これは北海道全域で使われる方言)のように、語尾を『〇〇ねー』とすることが多いです。道民は語尾を伸ばしがちと思います」(Rさん)

「あまりにも自然すぎて意識してなかったけど、たぶん普段から言っているんだろうな。今さっき仕事中にも、誰も反応しないくらい違和感のない『そだねー』が聞こえてきました」(Aさん)

LS北見のメンバーが「なまりに気づかなかった」とメディアのインタビューに答えているように、北見市民や出身者の多くも、自分の使っている言葉がなまっていることに気づいていないということのようです。

考えて戦うスポーツだから

一方で、今回カーリングというスポーツだからこそ、「そだねー」という言葉がクローズアップされているとの見方もあります。

「私は何かを考えている間に『そだねー』をよく使います。『そだねー、じゃあこうしよう』というように。もちろん同意で『そだねー』も言いますが、圧倒的に“考えている間”に『そだねー』が癖になっています」(Mさん)

Mさんは続けて、今回の「そだねー」の流行語化について見解を述べてくれました。

「きっと、カー娘(カーリング女子日本代表)たちのやりとりの中にもそういった意味で使うことがあったんだと思います。カーリングは考えながらプレーする頭脳戦。『そだねー』という言葉が自然と際立ち、印象に残るのではないかというのが私の見解です」

北海道の方言として注目されていますが、どちらかというと北見地方、特にオホーツク海岸に近いカーリングのメッカ、常呂地区で使われることが多いとの指摘も。北見市常呂在住経験のある男性は、「常呂ではよく聞いた。でも男性は使うことはなく、若い女性が使っていた」と話します。

普段意識したことのない言葉がこれほどまでに注目されていることに、編集部も驚きを隠せません。ただ、テレビやラジオでわざとらしく使う「そだねー」はあまりにも違和感があると感じます。あくまで日常の会話として意識せずに出てくる言葉こそが本物の「そだねー」。使う場合は自然な感じで、用法・容量を守って正しくお使いください。