蕎麦王国!日本一!

 意外と道外だけではなく、道民でも知らない堂々日本一!そのひとつが「蕎麦」なのです。道民でもこれを知って少なからず”えっ?”って驚くんです。なぜなら北海道に蕎麦というイメージは想像しにくいからですが、でも蕎麦の主要産地、地元の人にいわせれば蕎麦こそが地域のイメージであって……。

 さて、その蕎麦の日本一とは何かといいますと、「収穫量」です。全国の蕎麦収穫量を100としたときの北海道の収穫量はなんと41%ほども占めます。二位の福島県でさえも10%と、だんとつ北海道の収穫量の割合が高いことがわかります。収穫量は単位がトンですが、言っても想像がつかないのでやめておきましょう。

やっぱり幌加内は有名!

 都道府県別に見てみましたが、道内市町村別で見てみます。そうすると、幌加内町がダントツ1位。道内の27%もの収穫量を占めています。続くのが深川市15%、沼田町5%、旭川市(江丹別)、滝川市、新十津川町、浦臼町、南富良野町、北竜町と続きます。

 ここである特徴にお気づきでしょうか。以上に挙げた市町村のほとんどが空知支庁北部に位置しているという事実です。北海道は、7月~8月の夏季の時期に冷涼で、昼夜の寒暖差が大きい(20度くらい)という最良の自然条件の地域で、良質の蕎麦を育てることができます。さらに湿度が低い場所で、朝もや(霧)の発生が多い場所が上質の蕎麦の条件とされています。




 これらの条件に当てはまるのがまさに蕎麦生産地日本一の幌加内町です。町内の耕地面積のうち約60%ほどが”蕎麦”というからまさに蕎麦の街にふさわしいといえます。この日本一蕎麦の街で夏ごろに見る田園風景は、あたり一面の白色の花が美しいものです。収穫は9月上旬~10月にかけて。基本的に風に大変弱いこともあって台風がしょっちゅう来るようでは問題です。

※2004年度は台風18号の襲来による被害で、蕎麦も大損害を受けています。

キタワセソバって?そばの品種

 道内のほとんどのエリアで栽培されている蕎麦の品種は「キタワセソバ」。6月に種まきを行い、早熟で食味・風味が良いのが特徴です。また収穫の際に脱粒が少ないことで無駄なく生産できます。これが北海道内の蕎麦生産90%近くを占めます。

(動画)そば畑

 そのほかには「牡丹蕎麦」、健康に大変よいと評判の「韃靼蕎麦(だったんそば)」という品種があったりします。ちなみに先ほどのキタワセですが、新品種で、なんと平成元年に北海道農業試験場で産声を上げました。その後キタユキなんていう品種も誕生していますが、キタワセがメジャーになりつつあります。

 十勝にも空知北部のような蕎麦の生育に適した自然環境をもっている地域があります。新得町の新得蕎麦や鹿追町の日本一高い玄そばがその代表例です。新得町の国道38号線沿いは「そばロード」と呼ばれ、両側に蕎麦畑を見ることができます。

 十勝の蕎麦は高級品とされているわけですが、他にも道東の斜里町や清里町のオホーツク蕎麦、札幌北部、厚田村、当別町、道南は森町といった地区でも規模は小さいにしろ蕎麦畑を目にすることができます。道北の音威子府村は蕎麦北限として知られています。

※データは北海道農林水産省統計協会調べ。