シラカバ(白樺)。カバノキ科に属する落葉樹で、白い幹が特徴的な樹木 です。北海道の大平原に立つシラカバの風景が全国的にも有名。特に緑の 草原の中にあるシラカバ並木は北海道ならでは。今回は、シラカバについ てご紹介。
シラカバって?
カバノキ科の樹木で、名前の由来は幹の樹皮が真っ白(ところどころ黒い 点々があるけど)ということに由来します。一方で、アイヌ語由来説もあっ て「カンバの木」。「シラカンバ」いうのが正式名称です。
樹高は20mほどで、幹の直径はそれほど太くなくて、30cmほどですが、1m ほどになるものもあります。ほっそりした木です。そのためか、平原に立 つことが多いシラカバにとって、強風がふきつけるために気が皆同じ方向 に傾いている光景が見られます。樹皮は紙のようにめくることができます。
日本では東海地方以北で見られるのですが、北海道では特にあちこちで みられます。夏も涼しいと、樹皮がより白くなるといわれていて、北海道 のシラカバは特に美しいとされています。ヨーロッパでも見られる樹木で あり、北海道のシラカバのある風景が欧州的といわれる所以のひとつ。
シラカバの副産物
「カバノアナタケ」はサルノコシカケ科のキノコの一種で、北海道では シラカバの木や近縁のダケカンバに寄生して、透明の樹液を養分にしてい ます。近年日本で一時期話題となりました。
そのキノコが栄養にしている樹液は、実は人間も使っています。化粧品にも使われることがあるのですが、これは人間の皮膚の保湿効果 があるため。アイヌでは「タンイワッカ」と呼んで樹液を飲んできました が、春先の芽吹く直前の1か月にしか採取できません(それ以降は樹液がぴったり止まってしまいます)。
シラカバ樹液を使った銘菓もあります。道南食品が製造する「白樺樹液 パウダー入り・白樺の雫チョコレート」は、チョコレートに白樺樹液を パウダーにしてねり込んだもの。パッケージもシラカバそっくりです。 柳月製造の有名な銘菓「八方六」もシラカバの木肌をイメージした銘菓です。
家具に使う材木としても活用されています。木目がきれいで、磨くと美 しいので、家具に適しているほか、割り箸にも使われます。
シラカバで悲惨なことも
北海道の道南(渡島檜山)を除く地域では、シラカバの花粉症に悩まされ る人が多いことで知られています。特に4月頃、大量に花粉が飛散し、スギ 花粉をもしのぎます。