1月の真冬にカンヒザクラ(寒緋桜)が沖縄で咲いた後、北上を続けていた桜前線が、いよいよ北海道にも上陸します。
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北海道で植えられている桜には、道内に元々あるエゾヤマザクラ(オオヤマザクラ)やチシマザクラ、ソメイヨシノなどがあります。今回は、北海道の桜の魅力と、道内のどこでどんな桜が見られるのか、花見スポットをご紹介します。
桜といえば、やっぱりソメイヨシノ
ソメイヨシノは、日本の桜の8割を占め、桜といえばこれというほど、日本人に最も馴染み深い桜です。オオシマザクラとエドヒガンザクラを交配させたものといわれ、明治時代に全国の学校や公園、河川沿いなどに植えられ、全国的に主流となりました。
ソメイヨシノは接ぎ木や挿し木で増やされた木で、自力で繁殖できず、気温や日照など同一条件で一斉に開花します。そのため、桜開花の標本木とされています。
特徴は、先始めはほんのり薄いピンクで、満開になると白くなっていきます。花が散ってから葉が生えてくるので、満開時は、一面白く美しい桜が咲き誇ります。
▼五稜郭公園および五稜郭タワーからの眺望(函館市)
道央や道南でみられ、函館市の五稜郭公園では約1600本のソメイヨシノが植えられています。エゾヤマザクラが主流の北海道では貴重なスポットです。
ソメイヨシノが見られる主なスポット
五稜郭公園(函館市)
函館公園(函館市)
桜が丘通(函館市)
国指定史跡松前藩戸切
松前公園(松前町)
余市川桜づつみ(余市町)
戸田記念墓地公園(石狩市)
東明公園(美唄市)
北海道代表のエゾヤマザクラは本州より色鮮やか
エゾヤマザクラは北海道の代表的な桜で、寒さに強く、花と葉がほぼ同時に開花するのが特徴です。
本州ではオオヤマザクラとして広く知られています。しかし、北海道のエゾヤマザクラは、本州のものより濃いピンク色です。それは、北海道の厳しい冬の寒さが、桜をより美しい色にするからです。
▼円山公園(札幌市中央区)
▼二十間道路桜並木(新ひだか町)
道内全域で見ることができますが、道東など寒い地域にいくほど色鮮やかで、厚岸町の国泰寺などが有名です。札幌では円山公園、旭山記念公園、大通公園などでも咲いています。新ひだか町静内の二十間道路では、約3000本ものエゾヤマザクラが7kmにもわたって咲き、日本一の桜並木として有名です。
エゾヤマザクラが見られる主なスポット
円山公園(札幌市中央区)
旭山記念公園(札幌市中央区)
手宮公園(小樽市)
小樽公園(小樽市)
水天宮(小樽市)
静内二十間道路桜並木(新ひだか町)
優駿さくらロード 西舎桜並木(浦河町)
上ところ金刀比羅山(北見市)
国泰寺(厚岸町)
北海道限定のチシマザクラ
北海道を代表するもうひとつの桜といえば、チシマザクラです。
咲き始めは淡いピンク色で、満開になると白くなります。エゾヤマザクラとは異なり、花が散ったあとに、葉が生成します。そして、他の桜と比べると高さが非常に低く、横に広がっています。低さゆえに桜の木の下でお花見する光景はあまり見られませんが、小さな子供でも近くで桜を見て楽しむことができるので、親しみやすい桜です。
桜前線の終着駅として有名な根室の清隆寺では、全国で唯一、チシマザクラが標本木になっています。また、別海町の野付小学校に植えられているチシマザクラは、日本一の大きさともいわれるほどの巨木です。
▼寒地土木研究所(札幌市)
主に道北や道東といった寒さの厳しい地方に春の訪れを告げるチシマザクラですが、札幌でも見ることができます。それは「寒地土木研究所」で、敷地には170本植えられていて、毎年、期間限定で敷地内の桜並木が解放されます。訪れると、小さな苗木のプレゼントもありました。日当たりの良い場所を選び土に植え、水やりをしながら上手に育てると、2~3年で桜が咲くとのこと。
チシマザクラが見られる主なスポット
寒地土木研究所(札幌市豊平区)
野付小学校(別海町)
清隆寺(根室市)
春の訪れの待ち遠しい北海道にとって、桜は心までも温かい気持ちにさせてくれます。桜シーズンの北海道は、まだ風の冷たい日もありますが、お天気に恵まれるとポカポカ陽気。外で過ごすのが嬉しい季節の到来です。今年は、どの桜を見に行きますか?