エゾリスとエゾシマリスとエゾモモンガ

かわいらしいリス。日本ではリスと言えば縞模様の入った「シマリス」を思い浮かべるかも知れません。しかし他にもリスがいっぱいいます。

 本州以南には「ニホンリス(ホンドリス)」という日本固有種が生息しています。北海道には分布していません。北海道には「エゾリス」と「エゾシマリス」が生息していて、これは本州以南には生息していないことになっています。

 でも本州以南でも「シマリス」が見られるのはなぜでしょうか。それは在来種ではなく外来種だからです。本州以南で見られるシマリスは「チョウセンシマリス」です。このチョウセンシマリスは大陸から移動して繁殖して広まったもので、北海道にもいます。

 ここでは、北海道在来種の「エゾリス」「エゾシマリス」そしてリスの仲間の「エゾモモンガ」を紹介します。以上3種に加え「チョウセンシマリス」の合計4種類が北海道に生息するリスです。

エゾリスとは

 リス属キタリスの北海道固有亜種です。キタリスは欧州、朝鮮半島以北、ロシアなどに生息しています。エゾシマリスと異なるのは、冬季でも冬眠しないこと、樹上で生活することがほとんどであること、樹上に巣作りすることです。

 クルミやチョウセンゴケの実をくわえて集め、冬に備えて貯蔵します。冬眠はしないので冬季になると冬毛にチェンジします。尾を除く全長22cm、尾長18cm、体重は300~400gです。分布域は常緑針葉樹林や落葉広葉樹林です。

エゾシマリスとは

 シマリス属の亜種。分布域は北海道(離島・北方領土含む)、サハリンです。エゾリスより小さい種です。尾を除く全長15cmほど、尾長12cm、体重は100g前後。体色は茶色で、縞模様は5本の黒い線と間の白い線があります。冬季は冬眠しますし、地上で生活することが多いことや、地下に巣を作るのがエゾリスとの大きな違いです。

エゾモモンガとは

 北海道にムササビはいませんが、モモンガは生息しています。分布域は北海道全域。夜行性です。まんまるの大きな目が特徴です。尾を除く全長15cm、尾長10cm、体重100gほどです。食べ物を貯蔵しないので、冬にも食べ物を探しまわります。

 夜行性ゆえに発見されたのは遅かったようで、大正時代1921年に苫小牧市ウトナイ湖で発見されたのが公式記録第1号でした。しかしアイヌの人たちはアツ・カムイと呼んでいて、昔から知られていたことが分かっています。エゾモモンガはJR北海道のKitacaのイメージキャラクターです。