礼文トド島を見るならどこが好き?スコトン岬/トド島展望台/ゴロタ岬

【礼文町】礼文島の最北限の地、それが「スコトン岬」です。ここからは沖合に浮かぶ「トド島」を見ることができます。しかし、トド島を望むことができる展望台はここだけではありません。ここでは、トド島を望む礼文島西海岸の3大展望台、最北限の地スコトン岬、トド島展望台、ゴロタ岬からの眺望をご紹介しましょう。

最北限の地から間近にトド島を望む!「スコトン岬」

礼文島の最北限となるのが「最北限の地」を謳う「スコトン岬」です。アイヌ語の「スコタン(夏の集落)」に由来する、礼文島を代表する観光地です。かつて日本最北端を名乗っていましたが、宗谷岬(稚内市)がわずかに本土最北端であることが判明したため「最北限」と改めて今に至ります。最北限の地にちなみ、この地にはこれまで最北限のトイレや売店が設置されてきました。

海に突き出したスコトン岬の展望台は、遮るもののない高台に位置しているため、強風が名物のようなもの。飛ばされぬよう注意が必要です。岬近くには展望台施設が整備されており、晴れていればサハリンも望むことができるほか、目と鼻の先に浮かぶ無人島「トド島(海驢島)」を見ることができます。


かつては有人島、いまは無人島「トド島」

さてここで「トド島」について触れておきましょう。「トド島」はスコトン岬から約1.2㎞先にある、周囲4㎞、面積0.21㎞2、最大標高44mの島です。名前の通りかつてトド漁が行われるほどトドが多く確認されていました。少なくとも1980年代終わりまでに無人島になりましたが、1960年代には北岸の湾と南岸の湾を中心にコンブ漁やウニ漁のための番屋約20戸や民宿が設置されており、観光船航路も開設されていたようです。島の西部に1959年11月設置の海驢島灯台があります。

「トド島」のまわりには幾つもの小さい島や岩礁が浮かびます。島の南東には「マンジュウ岩」という岩礁があり、その西に「クキアイ」という岩礁もあります。西側にあるのは最高標高21mの「メナシトマリ岩(タタキ島)」。その北西にある岩礁群は「三ツ岩」と命名されています。

ちなみに、スコトン岬からは影になって見ることができないのが、トド島の北側にある標高6mの「平島」です。そこからさらに北3㎞には「種島」と呼ばれる標高3mの島があり、かつては国内唯一のトドの繁殖地でした。種島のうち最も北に位置するのが礼文町最北端「種北小島」です。

知られざる展望地「トド島展望台」

トド島が見られる展望台、2つ目はその名もズバリ「トド島展望台」(江戸屋展望台)。スコトン岬とゴロタ岬の間の「江戸屋山道」にある、北東向きの高台展望台です。こちらも遮るものがほとんどないため強風に注意ですが、感動的な景色が楽しめるスポットです。

ここは、船泊湾、西のスコトン岬、東の金田ノ岬との位置関係がよくわかる展望台と言えるかもしれません。また、少し距離がありますが、スコトン岬の先に浮かぶトド島を遠望することができます。スコトン岬は最も近い距離からトド島を見ることができるのに対し、トド島展望台は高台からトド島が見られるので、トド島と周辺の岩礁との位置関係がわかりやすいという特長があります。

ここには「銭屋五兵衛貿易の地」という看板もたっています。銭屋五兵衛は江戸時代後期の海運業者で、ロシアとの密貿易を行っていたとされています。この集落が「江戸屋」と呼ばれているのもこれに由来しており、江戸仕込みのキンツバ焼きを始めたため屋号を江戸屋とした説や、遠藤屋がなまってエンドヤになったという説もあります。

なお、このトド島展望台に通じる丘陵ルート「江戸屋山道」は、道幅が狭くカーブや坂が多いため通行注意です。そのため、南側から北上しスコトン岬に至るよう一方通行が推奨されています。夏季になると道路沿いがお花畑になるので、是非通っていただきたいルートの一つです。

最北限までの眺望は感動もの!「ゴロタ岬」

西海岸の「ゴロタ岬」は、標高176mという断崖絶壁の岬。ゴロタ岬の展望台はゴロタ山という山の頂上でもあります。標高が高く遮るものがないため、礼文島北部のスコトン岬はもちろん、鉄府浜の美しい曲線、透明度の高い青い海、久種湖、晴れていれば利尻島まで望むことができる、礼文島でもイチオシの絶景ポイントです。頂上まで車で行くことはできませんが、登山道で駐車場から約15分あれば到着する距離にあります。

今回は礼文島西海岸北部にあるトド島を望む展望地3選を紹介しました。間近で見るならスコトン岬、ちょっと高台から見たいならトド島展望台、もっと全景を見たければゴロタ岬がよいでしょう。このほか、久種湖展望台、東側のツノ「金田ノ岬」からもトド島を見ることができます。礼文島最北限スコトン岬に行く際は、眺望ポイントを探しながら旅行することをお勧めします。