こんなところに洞窟が?! オホーツク土器も発掘された浜益の岡島洞窟遺跡

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【石狩市】石狩市浜益区市街地の海岸近くに小さな小さな洞窟があるのをご存じだろうか。外側から見ると小さく洞窟というよりも雨をしのげる程度の窪みに見えるが、実はここは洞窟であるだけでなく貴重な遺跡でもある。過去の発掘調査で住居跡ということが判明しているのだ。

場所は、石狩市浜益区市街地南端の浜益郵便局の南東、レストラン民宿海幸向かいにある。国道231号線から少しわき道に入ったところになる。かつてこの崖は、海岸にまで続いていたが、明治25年の道路工事で大方が破壊されてしまったという。そのわずかに残された部分が現在の遺跡なのだが、現在位置より約6mほど海岸に洞窟が延びていたとされている。


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内部からは、人骨、土器、石器など多数の遺物が出土しており、約6000年前はここが居住地であったことが確認されている。時代で言うと、縄文文化から擦文文化までの七期間にわたるもので、昭和11年、34年の二度にわたる発掘調査で明らかになっている。

特に注目されるのが、第四文化層から発掘されたオホーツク土器である。この発掘により、オホーツク文化の日本海岸最南端の遺跡として知られることになった貴重な遺跡なのだ。なお、現在はオホーツク土器の痕跡は奥尻島でも見つかっているため、道内における南限は道南であるが、それまではここが南限だった。かつてオホーツク人がここ岡島洞窟を経由し南下したと考えられている。

なお、現場は崖であり、落石の形跡がみられるとのことで、付近一帯立ち入り禁止となっているので注意が必要だ。