浦河には「オバケ川」という珍名河川がある!その由来とは?

【浦河町】北海道はアイヌ語由来の地名が多く、河川名にもアイヌ語に由来してつけられたものが数多くあります。そんな珍名河川が多い北海道において、アイヌ語由来ではないものの、知る人ぞ知る珍名河川があります。それが「オバケ川」です。

日高幌別川支流の短い川「オバケ川」とは

オバケ川があるのは、日高幌別川の途中です。日高幌別川は、日高山脈のピリカヌプリを水源とし、日高幌別で太平洋にそそぐ、総延長36.9㎞の二級河川。その途中、日高育成牧場がある西舎地区で合流する支流の一つに、日高幌別川水系のオバケ川があります。

日高幌別川に合流する地点は、日高育成牧場(JRA)の東端、道道746号線沿いにあります。そこから道道沿いに北に延びている小さな川がオバケ川で、合流地点からオロマップキャンプ場・サケマス人工孵化場の入口までの間にオバケ川を示す看板が立っています。[地図] 看板の場所から川に近づくこともできますし、キャンプ場入口に橋が架かっていますので、その上からも確認ができます。キャンプ場入口からさらに山側に、道道に沿ってオバケ川は約4㎞にわたり続きますが、そのうちキャンプ場入口付近までの400m区間は北海道(室蘭建設管理部浦河出張所)が管理しています。

川幅は広くなく、小川といった表現がぴったりの小さい川。道道の交通量もほとんどなく、自然豊かな静けさの中で綺麗なせせらぎの音が心地よく感じられる川です。


由来は諸説あり!やはり「お化け」が由来か

オバケ川がいつからなぜそう呼ばれていたかについては、はっきりわかっていないのが現状です。しかし、一つ分かっていることがあります。それは、アイヌ語由来ではないということ。では、本当にオバケが出た場所なのでしょうか。

浦河町立郷土博物館によると、由来には諸説あり、その一つとして「不思議な音が聞こえた」説があります。季節は真冬。山の中に木を切り出しに行った人が、山奥から馬がソリ(バチバチ)で木を切り出してくる音や鈴の音、人の声が聞こえたものの、音はすれど何も見えなかった、といいます。

本件について調査してくださった博物館の方は、この説を話す地元の古老は80歳を超えていることから、少なくとも昭和時代初期にはそう呼ばれていたのではないかとしていますが、現時点でははっきりした時期については不明です。気になった方は、いまだ謎に包まれる珍名河川「オバケ川」に行ってみては?