国土交通省は2019年10月18日、新たな地域名表示による地方版図柄入りナンバープレートの決定デザインを発表しました。北海道からは「知床」「苫小牧」が決定。北海道に初めて、いわゆる「ご当地ナンバー」が誕生することになります。
ご当地ナンバー「知床」「苫小牧」が道内初登場!
国土交通省は、走る広告塔としてナンバープレートの機能に着目しており、2018年10月から地域の風景や観光資源を図柄にした地方版図柄入りナンバープレートの交付を開始しました。
2018年10月に交付が始まった第1弾は、富士山、つくばなど全国41地域で、北海道は含まれていませんでした。第2弾となる今回、北海道の「知床」「苫小牧」をはじめ全国17地域のご当地ナンバーが誕生することになります。
条件は自動車登録数が10万台を超えていること、複数市町村の場合は5万台を超えていること、地理的名称で原則として漢字2文字であること(やむを得ない場合を除く)です。
対象区域に登録されている自動車は、新たにナンバーを交付される場合は従来のナンバーと新しいナンバーを選ぶことができません。また、対象地域と対象外地域の間で引っ越しがあった場合は付け替えることになります。
北海道の従来のナンバープレートは、運輸支局別に札幌、旭川、函館、室蘭、北見、帯広、釧路の7地域。今回新たに「知床」「苫小牧」を加えて9地域になります。それぞれのナンバープレートの対象区域を紹介しましょう。
「知床」ナンバー
知床とは、世界自然遺産に登録されているエリアのこと。知床という自治体名はありませんが、知床半島を両断するようにオホーツク管内側の斜里町と根室管内側の羅臼町が二分しています。
今回の「知床」ナンバーでは、知床半島を構成する斜里町と羅臼町をはじめ、知床周辺の自治体、合計7町が対象になります。具体的には、オホーツク管内側にある斜里町、清里町、小清水町の3町、根室管内側にある羅臼町、標津町、中標津町、別海町の4町が対象です(検討段階では網走市、根室市、斜里町、小清水町、清里町、別海町、中標津町、標津町、羅臼町の9市町でした)。
対象区域は釧路運輸支局と北見運輸支局にまたがっているため、釧路運輸支局では釧路ナンバーと知床ナンバー、北見運輸支局では北見ナンバーと知床ナンバーを扱います。登録台数は5万台超です。
「知床」ナンバーの図柄は2018年12月、同年夏に全国から公募した178点の中から、愛知県在住者の作品「何が隠れているかな」に決定。雪を頂いた知床連山をバックに、親子のヒグマ、オオワシ、シレトコスミレを配置し、雄大な自然を表現しています。また、雪山には、エゾリス、エゾシカ、キタキツネなど北海道らしい動物が隠れています。
「苫小牧」ナンバー
苫小牧ナンバーは、胆振管内最大の苫小牧市で検討が進められてきました。対象地域は苫小牧市のみとなります。登録台数は10万台超です。道内で同じく10万台を超えている都市には地名表示のナンバーがあるのに対して、苫小牧だけは室蘭ナンバー。苫小牧ナンバーの実現は悲願だったわけです。
「苫小牧」ナンバーの図柄デザインは2018年12月、同年10月に全国から公募した92点の中から3点を一次選考通過作品とし、11月に行った市民アンケートの結果、他2点(「苫小牧の魅力」「苫小牧の夜景」)に大差をつけて苫小牧市在住者の作品「ウトナイ湖とアイスホッケーの街とまこまい」に決定しました。
「苫小牧」ナンバーの決定デザインは、ラムサール条約登録湿地であるウトナイ湖と2羽のハクチョウ、背後に樽前山、雪の結晶、世界的に有名なアイスホッケーのスティックとパック、アイスホッケーのスティックを持ったキャラクター「とまチョップ」が苫小牧の位置を示した北海道地図とともに片隅に配置されています。
苫小牧市は室蘭運輸支局管内になりますが、室蘭ナンバーと苫小牧ナンバーを扱うことになります。
交付は2020年5月から順次
以上、「知床」「苫小牧」ナンバーの概要でした。交付は2020年5月頃。図柄が入らない通常バージョンの他、フルカラー図柄、モノクロ図柄の3パターンから選ぶことができます。フルカラー図柄は1000円以上の寄付金付きで、観光振興や交通改善などの取り組みのために使われることになります。
来年2020年春以降は、「知床」「苫小牧」ナンバーを付けた車を見かけるのを楽しみにしたいところです。