道央と十勝を車で行き来したことがある人なら通ったことがあるに違いない「日勝峠」。日高山脈を越えるこの峠は国道274号線最大の難所であり、ドライバーにとって辛い峠の一つとして知られる。その峠区間の中で、多くのドライバーが密かな楽しみとしているのが、標高1000mから見下ろす十勝平野の眺望だ。
日勝峠は面白いもので、頂上から日高側は緩やかな山々がいつまでも続くのに対し、十勝側は山から平野に切り替わるので一気に視界が開ける。標高の高い位置から見る十勝平野は北海道の広大さを実感できる場所の一つであり、晴れていれば実に感動的である。
車窓からも十分十勝平野を楽しめるが、6合目付近には十勝清水四景の一つ「日勝峠展望台」がある。駐車場から階段を少し登ったところから、主に清水町・鹿追町・芽室町といった十勝平野西部を一望できる。最も近くに見える町並みは清水町市街地で、晴れていれば帯広市市街地も遠くに見えることもある。また、阿寒の山々を見ることができるかもしれない。
西側から東を見ることになるので、午前中は逆光になることが多い。午後がオススメ。夕方には平野と東の空がオレンジ色に染まることもある。その時々・季節によって、様々な風景を楽しむことができるはずである。標高が高いため、雲に覆われると視界不良で見ることができないので、残念なことにならないように天気予報とにらめっこしてほしい。
また、展望台にはもう一つ、塔のような鐘がある。二人で行ったら是非試してもらいたいのだが、手をつないで左と右それぞれ触れると鐘が鳴るという仕組みになっている。
道東自動車道の十勝―道央がつながったこともあり、国道274号線を使うことが少なくなったという方も、晴れているときには展望台からの絶景を楽しんでみてはいかがだろうか。
清水町日勝峠
夏季、無料