羊蹄山、ニセコ連峰共に雪解けが進み、山の上が白から緑へと日々変わっていく中、倶知安町から望むワイスホルンに馬の形が見え始めました。残雪の形が馬のように見えるのですが、倶知安町の農家の方は昔からこの馬の形でその年が豊作か否か占うそうです。
そんな倶知安町のある農家で、趣味で始めた庭いじりが、あれよあれよという間に人気スポットとなり、この時期ともなると毎日多くの人が見にくるという場所があります。すでにご存知の方も多いでしょう。「三島さんの芝桜庭園」。桜の散り始める頃に満開を迎えるので、ちょうど今が見頃ということで取材へ行ってきました。
▼ワイスホルンの馬の形も
山裾に広がる色の海
倶知安町の町中を脱け、山裾の細い道を行くと視界が開け、白、ピンク、赤等の鮮やかな色彩が目の前に広がります。現在は農業を引退し、畑一面を芝桜で埋め尽くしているだけあって、圧巻の広さです。「芝桜の丘」という看板の奥には波打つような地形の中、色とりどりの芝桜が咲き始めております。この地形が芝桜に動きを与え、より一層綺麗に迫力ある景観にしているように感じます。まさに色の海、じっと見つめていると、花の香りと共に目眩がしてきます。
絵心をくすぐる景観
車道の反対側にも芝桜が広がっており、その奥には菜の花も植えられています。さらにその奥には羊蹄山。普段写真を撮らない人も、構えずにはいられない風景です。整備された遊歩道が緩い斜面に上手く繋げられていて、芝桜を3次元的に鑑賞できる為、遊歩道を進むたびに絵心をくすぐる光景が目に入ります。
一人で作り上げた芝桜庭園
綺麗な芝桜の海、その奥に作業をしている人を発見。一人で黙々と作業を続けるこの方こそ、この芝桜庭園を作り上げた三島和夫さんです。
三島さんのお話では、もともと裏庭の小さな花畑に植えた芝桜でしたが、年々増えてその株を他の場所へ移すうちに、農業を引退した事も手伝って、畑として使っていた場所すべてに広がったようです。芝桜はもちろんですが、遊歩道や道路の路肩、全て一人で作り上げた庭園は見事です!
「いやぁ、こんなに見に来てくれる人がいるなんて思いもしなかった。調子に乗っちゃって、こんなに広くなっちゃたよ」と笑顔で答えてくれました。
▼三島和夫さん
人との触れ合いを大切に
年々増える観光客、今では団体ツアーバスも乗り入れ凄いことになっています。もともと細い道路沿いにあるので、三島さんが整備した路肩等もすぐに車でいっぱいになります。そんな状況に三島さんは、自宅のトイレを開放。今年はそのトイレを土足で使用できるようにし、さらには自宅前を駐車場としても開放しています。そんな神対応の三島さん、訪れる人との触れ合いを大切に楽しんでいるようでした。
三島さんのお話では、芝桜の見頃は25日頃から一週間。この時期、訪れる人が多く道路が混雑する為、倶知安観光協会では、近くの公園などの駐車場を利用するよう勧めています。人が多くなると、ついつい集団心理に負けてモラルの欠けた行動をしてしまいます。いくら広いといえど、三島さん個人のお庭を拝見させてもらう訳ですので、他人のお宅に訪問する心構えを忘れないようにしたいものですね。
▼三島さんの芝桜庭園
所在地:北海道虻田郡倶知安町旭51
駐車場:旭ヶ丘公園駐車場、わんぱく広場駐車場、くとさんパーク駐車場
お問い合わせ
倶知安観光案内所 i-Center(JR倶知安駅内)
TEL:0136-22-3344
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