タンチョウのつがいは人間のように一途だった!タンチョウの一生とは

タンチョウの夫婦は人間の夫婦が見習うことのできる要素が多いと言われる。例えば、タンチョウのつがいは相手が死ぬまで共に過ごす。子育ても夫婦が協力して行う。夫婦協力体制についても見習いたいところである。ここでは、タンチョウの一生を追ってみよう。ヒナの誕生から、つがいの形成までを順番に見ていく。

ヒナの誕生から飛行訓練までのヒナ時代

産卵の後、約1ヶ月間の抱卵と呼ばれる期間に入る。これは夫婦が交代で行う。4月中旬から6月にかけて卵からかえったヒナは、親タンチョウの姿とは大きく異なり、茶色く小さい。ピィピィ鳴きながら餌をねだり、あっという間に大きくなってしまう。

1カ月弱で甘える姿を見せつつも自分で餌を見つける方法を親から学んでいく。そして40日もすると、逞しくなり、首も長くなってくる。羽毛が生えていない状態のヒナは、脚の筋肉の部分が見える状態になっている。そして毛が生えそろい、約100日すると飛行練習を行い飛べるようになる。

幼鳥から結婚適齢期まで

飛行できるようになると幼鳥と呼ばれるようになる。こうして冬を迎え、誕生から一年も経たないうちに親から攻撃を受け独立を促される。しかし、この頃はまだ赤い頭頂部ははっきり見えない状態で、3年かけてはっきりしてくる。3年かかるものとしては他に、羽の黒い斑点が消えることも挙げられる。3年から4年すると、結婚適齢期となる。

冬の給餌場では求愛のダンスが見られるようになる。2月頃、興奮したつがいは互いに首を伸ばし、天を見上げるポーズをとる。「マウント」という行為もこの時期に見られる。オスがメスの背後に立ち、メスが翼を広げると、オスは一気にメスに飛び乗り、交尾を行うのだ。交尾が終わると、オスはメスの前に降り立ち、感謝のポーズをとる。こうして、春以降子育てに励むことになる。

タンチョウの一生はこのような感じである。夏季は子育てに励むため、湿原のあしに身を隠しながら生活する。冬になると求愛の季節である。給餌場にタンチョウが集まり、つがいが誕生していくのである。