コハクチョウの国内最大の中継地「クッチャロ湖」はまさに白鳥の湖!

【浜頓別町】 北海道内にはハクチョウが飛来する湖が幾つかあるが、道北で「白鳥の湖」といえばここかもしれない。浜頓別町市街地に近い場所にあるクッチャロ湖である。春と秋の渡りシーズン最盛期になれば1日最大約5000羽ものコハクチョウが見られるのだ。カントリーサインがハクチョウを全面に押し出している浜頓別で長居してみてはいかが?

クッチャロ湖とは

そんなクッチャロ湖は、頓別平野南部にある、日本で二番目に北に位置する「湖」([地図])。大沼と小沼で構成されており、一般に訪れるのは大沼のほうである。面積13.3km2、周囲約27km、平均水深1.5m、最大水深は2.5mしかない。

1968年5月15日にクッチャロ湖を含め3927ヘクタールを北オホーツク道立自然公園とした。1989年7月6日には、1607ヘクタールが国内3番目のラムサール条約登録湿地となった。また、1983年に2803ヘクタールをもって国指定鳥獣保護区に指定。特別保護地区は1607ヘクタールに及ぶ。

クッチャロ湖は海跡湖でもある。クッチャロ湖は淡水だが、大沼のほうはオホーツク海に近いこともあり、頓別川と合流しているクッチャロ川から海水が多少流入している。12月下旬から3月初めまでは湖面が凍る。北部は丘陵地帯、西部も丘陵地帯、南部は湿原地帯、東部は砂州の砂丘地帯を隔ててオホーツク海に近い。

秋と春にはコハクチョウがたくさん飛来!

10月から11月頃になると、コハクチョウが越冬のために北極圏から、越冬地である本州まで渡りをしてくるが、クッチャロ湖はその4000kmにも及ぶ長旅の国内最初の中継地である。5月はじめ頃までに今度はふるさとに戻るため、3月から4月にかけて、またクッチャロ湖に立ち寄る。春のほうがたくさんのコハクチョウが見られ、1日最大5000羽がいることもあるので、お勧めだ。

その数は東アジアのコハクチョウの約半数に当たる約2万羽といわれ、コハクチョウの国内最大の中継地である。そのため「白鳥の湖」との代名詞もいただいている。ハクチョウは湖畔にたくさんおり、陸に上がっているハクチョウも。湖畔に立つと、ハクチョウの鳴き声が賑やかだ。時間帯さえ合えば、エサやりタイムに遭遇できるかもしれない。

水鳥観察館やキャンプ場も

湖畔には駐車場のほか、1995年開設の「浜頓別クッチャロ湖水鳥観察館」が建っている。9:00~17:00、休館日は月曜日と祝日の翌日、年末年始で、入場無料である。展示室は水鳥と動物と野鳥の3ブースからなっており、コハクチョウ剥製標本がある。マルチビジョンでは渡り鳥について映像を視聴できるほか、図書コーナーもあり、学習環境も整っている。

また「クッチャロ湖キャンプ場」も立地する。のどかで静かなクッチャロ湖前で、しかも温泉や街中まで徒歩圏内という場所でキャンプというのもいいのでは。