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下流には探求心くすぐる謎の洞窟あり!蘭越町 新見渓谷の「紅葉の滝」

滝というと、多くは地形的なことから都市から離れている山の中にありますが、観光地としていつでも楽に見に行けるように滝までの道を整備している場所が沢山あります。

今回は秘境とは言えませんが、他にはない魅力がある滝へ行きました。

新見渓谷にある滝

今回目指すのは蘭越町にある「紅葉の滝(こうようのたき)」です。

地元の方には「もみじのたき」と呼んでいる方もいるようですが、公式には「こうようのたき」のようです。新見渓谷と呼ばれる深い谷を流れる新見の沢川に存在する滝で、近くには有名な「新見温泉」があります。

下流には探求心くすぐる謎の洞窟あり!蘭越町 新見渓谷の「紅葉の滝」

新見温泉から道道268号線を岩内町方面へ700mほど登ったところに滝へ通じる探勝路入口があり、付近の道路には狭いものの退避所がありますので、数台の車は停めることができます。探勝路は沢へ向かってひたすら下っていますし、階段ではないので滑らないよう、登山靴などのしっかりした靴を履くことをお勧めします。

下流には探求心くすぐる謎の洞窟あり!蘭越町 新見渓谷の「紅葉の滝」

少し下ると右奥に小さな滝が見えてきます。特に名前のない滝ですが、見ていて涼しげで小休止には、ぴったりの場所です。先へ進むと川へ出るのですが、そのすぐ目の前から滝らしい音が聞こえてきます。木々の枝や葉に隠れていますが、少し移動すると確認できます。

▼稀にここを「紅葉の滝」と間違う人がいる
下流には探求心くすぐる謎の洞窟あり!蘭越町 新見渓谷の「紅葉の滝」

ここから川沿いに道が続きますが、100mほどですのであっという間に到着します。

▼崖を削った細い道。ゆっくり歩けば問題ない
下流には探求心くすぐる謎の洞窟あり!蘭越町 新見渓谷の「紅葉の滝」

日本的な紅葉の滝

「紅葉の滝」は角度を変えて3段になっている滝で、その地形を流れる水と滝壺へ落ちる水音、さらには水の透明度に、時間を忘れて見入ってしまいます。

下流には探求心くすぐる謎の洞窟あり!蘭越町 新見渓谷の「紅葉の滝」

▼滝上部
下流には探求心くすぐる謎の洞窟あり!蘭越町 新見渓谷の「紅葉の滝」

▼滝壺の中の石が見えるほど、水が綺麗
下流には探求心くすぐる謎の洞窟あり!蘭越町 新見渓谷の「紅葉の滝」

高さは10mほどで幅は約3mと滝としては小さめですが、沢の奥から流れてくる水が折れ曲りながら落ちてくる様は、日本人好みの形ではないでしょうか。秋には周りの木々が色づき、まさに滝の名前にふさわしい光景になることでしょう。日本の美を感じる一見の価値ある滝です。

ちょっと下流に目をやると……探険心くすぐる謎の洞窟

滝壷から流れる水を追って下流を見ると、対岸にある高さ20mほどの崖に黒々とした穴があることに気づくはずです。

▼写真左に穴が見える
下流には探求心くすぐる謎の洞窟あり!蘭越町 新見渓谷の「紅葉の滝」

自然にできた穴なのか、人工的に掘られたものなのか分かりませんが、高さが約170cm、幅は120cmほどの洞窟で、大人でも屈むと入っていけそうです。

洞窟の中を覗いてみても奥は真っ暗で何も見えず、深さがどの位あるかも分かりません。天井には鍾乳石が連なり、絶えず水が滴り落ちています。

下流には探求心くすぐる謎の洞窟あり!蘭越町 新見渓谷の「紅葉の滝」

▼赤茶色の岩肌と緑色の苔との対比が怪しげで美しい。天井には鍾乳石が複数見える
下流には探求心くすぐる謎の洞窟あり!蘭越町 新見渓谷の「紅葉の滝」

今回は滝と共にこの謎の洞窟にも挑もうと準備してきました。沢登り用の靴に手袋はもちろん、ヘルメットとライトを装備して突入します。

中へ入ると湿度のせいなのか、うっすらと煙のような霧が見えてきます。さらに外の水の流れる音や鳥の鳴き声が反響して聞こえ、湿って輝く壁面と相まって異空間を演出しています。

奥へ7mほど進むと、天井が崩れたようで、それ以上先へは進めませんでしたが、崩れた土砂の隙間の穴から覗いてみると、穴はもっと奥へと続いているようでした。

下流には探求心くすぐる謎の洞窟あり!蘭越町 新見渓谷の「紅葉の滝」

▼奥へ進むと硫黄の成分だろうか、岩肌は黄色に変わる
下流には探求心くすぐる謎の洞窟あり!蘭越町 新見渓谷の「紅葉の滝」

鉱山跡? 謎の洞窟の正体とは。

その後、謎の洞窟の正体を探るべく、地元の方や役所の方に聞いてみたところ、約50年前から現在のような形で存在していたようですが、それがどのようにして作られたのか分からないとのことでした。

ここからは私が調べた情報からの推測になります。

ニセコ山系では、1804年(文化初年)から硫黄等の採掘が行われており、一部の鉱山では1937年(昭和12年)まで採掘が行われていたようです。紅葉の滝が流れる岩肌や、謎の洞窟の壁で微かな硫黄臭を感じましたし、ニセコ山系の麓には温泉が沢山あります。

この謎の洞窟は、硫黄を採掘しようと掘られた穴なのではないでしょうか。掘ってはみたが鉱石が見つからない等、何らかの理由で放置されたのでしょう。

そのため、名前もなく、町の資料にも残ることはなかったのではないでしょうか。そう考えると、記録にある閉山時期に掘られたとしても現在まで80年は経っていることとなり、50年前には既に存在していたという証言とも一致します。

また、岩の成分が溶け出した赤茶色の鍾乳石というのは珍しいようですし、その長さを見ると、鍾乳石は1cm伸びるのに約70年かかると言われていますから、成分や環境が違うとはいえ、もしかすると100年を超えているかもしれません。いろいろと探究心をくすぐられる洞窟です。

洞窟内は崩落やガスによる酸欠等の可能性があり、それなりの知識や準備と注意が必要です。外から覗くだけでも鍾乳石を見ることができますので、安全第一で楽しみたいですね。滝の爽快な美しさと、洞窟の怪げな美しさ、両方を楽しめる珍しい場所でした。

【動画】紅葉の滝と近くにある洞窟の内部

紅葉の滝
磯谷郡蘭越町新見

筆者について

中瀬りあの

中瀬りあの

スポーツ万能インドア派を目指してきて、はや40代。アウトドアスポーツは何でも挑戦。インドアでは世代的にゲーム好き。(どちらも上手くはない)子供のように何にでも興味はある。