函館から恵山方面に国道278号線を走っていると、函館中心部から約35kmぐらい行ったところで北海道道41号函館恵山線とぶつかります。そこには、海岸線まで突き出た絶壁の岩盤をくり抜いた短いトンネルが7つ連続してあります。その7つのトンネルは総称して日浦洞門と呼ばれています。
かつて人力で掘られた7つのトンネル
北海道道41号函館恵山線(以降、道道41号線)は、国道278号線のサンタロトンネルの函館中心部側の入口の手前にあります。道路標識や看板など何もありませんが、右(東)側へ分岐している道が道道41号線です。
▼サンタロトンネルの入口の手前で右折すると道道41号線に入ることができる
道道41号線は、1929(昭和4)年に開通しました。この辺りは、岩盤でできた絶壁が続く海岸線で、道を通すためにはトンネルを掘る必要がありました。しかし、岩質の性質上、火薬や発破を使用することができません。そのため、なんと手掘りまたは削岩機により掘削されたのです。
▼岩盤でできた絶壁が続く海岸線
道道41号線は、かつては国道278号線として利用されていました。1985(昭和60)年にサンタロトンネルが開通し、そちら側を通る道路が国道278号線となり、元の国道278号線は道道41号線となったわけです。豊浦町、大澗(おおま)町、中浜町は道道41号線沿いにあり、現在も生活道路として利用されています。
▼現在は危険防止のため補強工事がされている
写真を見ていただければわかるように、現在では岩盤に補強がされていますが、以前は、岩盤そのままの状態でした。補強工事が行われたのは、1996(平成8)年と2005(平成17)年。それにより、現在のような状態になりました。
▼補強工事がなされる前(写真提供:函館市恵山支所)
訪れる時に注意すべきこと
注意すべきは、対向できないこと。対向車がきた場合、何カ所か幅員が広くなっている場所がありますので、そこで通過待ちをしなくてはいけません。下記にある動画を見ていただければわかりますが、函館中心部と恵山を結ぶ路線バスもこの道路を走っています。
また、海岸ぎりぎりのため、天候によっては高波が車にかかったりすることもあります。
硬い岩盤を素掘りで堀ったことを知って通ると、歴史の重みが感じられます。
行ってみたいと思われた方にもうひとつ注意点を。日浦洞門は、実はカーナビに表示されないことも多いようです。その場合は、目的地として「サンタロナカセ岬」を設定してください。函館中心部方面から向かう場合、日浦洞門の先に「サンタロナカセ岬」があるため、カーナビの指示通りに進めば、自ずと日浦洞門を通るはずです。