北海道には、2016年4月より順次販売が開始されたご当地みくじシリーズ「えぞみくじ」というものがあります。なんでも、道内で繋がりのある神職さんと、地元の名産や魅力あるものをモチーフにおみくじを作ろうということで、はじまったものなのだとか。今回はそのうちのひとつ、函館にある湯倉神社にお邪魔しました。一体ここではどんなおみくじに出会えるのでしょう?
函館といえば、やっぱりアレ!
▼函館市湯川町にある湯倉神社
ご当地みくじシリーズ「えぞみくじ」には、全道6カ所の神社で出会うことができます。以前ここでも紹介した根室・金刀比羅神社のサンマをはじめ、帯広・帯廣神社のサケ、美瑛・美瑛神社のとうきび、苫小牧・樽前山神社のホッキ貝、稚内・北門神社のタコなど、それぞれにご当地の名産品がモチーフになった、楽しいおみくじです。それでは、函館・湯倉神社では何をモチーフにしているのでしょうか。さっそく、釣り上げてみましょう。
▼釣り竿を使っておみくじを引きます
上の写真内に、もう答えは出ていますね。そうです、函館といえばイカ。湯倉神社のえぞみくじは、イカをモチーフにしたものでした。その名も「イカすおみくじ」(300円)。
▼なんともユーモラスなイカたち
おみくじと共に、こんなかわいいイカのマスコットが付いてくるのだから、思わず各地を回ってえぞみくじ全種類コンプリートを目指したくなります。ちなみに、おみくじは北海道弁でアドバイスが書かれているのも特徴です。「なまら人目を気にしてたらゆるくないべさ」「力を抜くといいんでないかい」など、読むと思わずほっこりしてしまいます。
湯の川温泉発祥の神社!?
▼立派な鳥居が出迎えてくれる
イカのおみくじに興味を持ったなら、ぜひ湯倉神社に詣でましょう。湯倉神社の起源は、伝説によると500年以上も昔のこととされています。現在の社殿が造営されたのは、1876(明治9)年のこと。以来、町の発展と共に今に至っているということです。また、名湯として名高い湯の川温泉は、湯倉神社に残る言い伝えを起源としており、つまり湯倉神社は湯の川温泉の発祥の地でもあります。
▼湯の川温泉は北海道三大温泉郷のひとつ
さらに、湯倉神社でひときわ目を引く大きな木は、オンコ(イチイ)の木で、樹齢約370年とも言われています。湯川一の古木ということで、近くに立つだけでパワーをいただけそうです。
▼御神木として大切にされている
目を引くと言えば、こちらも。御神前に設置されている神兎です。
▼観光客にも大人気の「なでうさぎ」
湯倉神社に祀られている大己貴神(大国主命おおくにぬしのみこと)とうさぎは神話「因幡の白うさぎ」で知られる通り、深い縁にあります。そこで、この「なでうさぎ」を撫でて御加護をいただこう、というわけです。
最後に、湯倉神社で素敵な御守りを見つけたので、ご紹介しておきましょう。持っているだけで心踊るような、かわいらしい「御神縁御守」です。
▼5種類の袋(各400円)と12種類の内符(各300円)
袋の色と、結んでいる紐の色は好みで選べるので、組み合わせ自由。そして3つまで入れることができるという内符には、それぞれに成就したい願いが一文字の漢字で表現されています。中には、願いを3つに絞りきれず、御守を2つ持っている人もいるそう。
えぞみくじを求めて訪れた湯倉神社でしたが、その他にもさまざまな魅力がある場所でした。ここでは簡単にしか紹介できなかった伝説や神話についても、実際に行けば詳しく知ることができます。御神木にパワーをいただいたり、神兎を撫でたり、自分好みの御守を作ったり。きっと元気をもらえる湯倉神社、函館観光のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。
モデル:清水香菜美