タンチョウの頭頂部の赤い部分はタンチョウのシンボル的存在でもある。丹頂という漢字の由来だって、丹(赤い)頂(頭頂部)という意味からきているのである。では、その赤い部分は何でできているのだろうか。当然周囲と同じで毛で覆われている!と答えるかもしれないが、正解は×である。
実は頭頂部の赤い部分をアップしてみると、毛がないのがわかる。凸凹しているのである。実はこれ、皮膚が裸出しているので赤く見えるというわけだ。常に赤い部分は見えているが、興奮したり威嚇したりすると血流が良くなり、赤い粒状の部分が膨張することによって大きく見える。赤い部分の大きさでいま、タンチョウがどんな気持ちなのか、ある程度察することもできるそうだ。
これは一つの武器!タンチョウの足に隠された秘密
タンチョウの脚は細長く弱く見えるが、実際は強い。攻撃する時、くちばしだけでなく、飛び蹴りをすることもある。足の爪は鋭くなっており、攻撃相手をこれでひっかくことも可能なのだ。これで引っかかれてしまってはキタキツネも猛禽類もひとたまりもないという。給餌場ではキタキツネがタンチョウたちに取り囲まれ攻撃を受け、なすすべもなくそそくさと逃げて行ったという例が観察されているほどなのだ。
さらに、タンチョウの脚は一般に黒っぽい色をしているが、足の裏は、黒っぽい個体と肌色のような色の個体の二種類があるという。遺伝的要素が深く関係しているそうで、詳しいことはわからない。また、足の指は四本で、実は水かきもある。あまり泳ぐ姿を目にすることはないのだが。。。
細い脚でわかることもある。それは気温だ。タンチョウは特に早朝、寒すぎると、片足立ちをして佇む。餌を食べるために頭部を地面に近づけるときだって片足立ちのままだったりする。とても器用な鳥なのだ。それどころか、給餌場では寒すぎると飛来が遅かったり、脚を折りたたんだまま飛来するという。
着陸離陸はまるで飛行機のようにも感じさせる。翼を広げバサバサと音を立てて飛び立つ。着地も足がついて急ブレーキをかけているかのよう。そして、実は歩くのは速かったりする。脚だけとっても、こんなに面白いのだ。
細長い舌の先は3つに割れている?
タンチョウの舌をじっくり見る機会はそれほど多くないと思うが、実は細長い舌の先は三つに割れているのだそうだ。遠くからでは絶対にわからないが、三つに割れているのには理由がある。特に餌を拾うときに、箸のような役割を果たす嘴で上に飛ばす際に、割れた舌でポケットを作るかのようにして餌を捕える。こうして、下を向いたままでも餌を食べることができる仕組みになっているのだ。
タンチョウは小石を食べる?
タンチョウは雑食性。植物はもとより、魚介類、昆虫、甲殻類、両生類なども食べる。冬季の給餌場では、トウモロコシが与えられることが多く、阿寒国際ツルセンターだけは魚を与えることもある。雑食性のタンチョウは、食べたものの消化を助けるために、小石を食べる習性があるという。