広尾町からえりも町までを結ぶ「黄金道路」は、難工事のため莫大な費用がかかり「金を敷き詰められるほど費用がかかった道路」ということで呼ばれるようになったのだとか。その黄金道路を、広尾町の中心部より南に車を3~4分走らせたところに、切り立った崖より何本もの滝が流れ落ちる場所があります。そこがフンベの滝です。
岩からしみ出た湧き水が何本もの滝に!
(Entaniya Fisheye 220で撮影した写真)
「黄金道路」は、広尾町音調津(おしらべつ)から、えりも町庶野(しょや)までの33.5kmを結ぶ道路で、釧路市から浦河町までを結ぶ国道336号線の一部です。トンネルと覆道が続き、片側が切り立った崖、もう片側が美しい海岸線の続く道です。
▼崖から何本もの滝が流れ落ちている
フンベの滝は、10数メートルぐらいの高さから落ちている小さな滝ですが、流れ落ちる水は1本ではなく何本もあり、ほかではあまり見られない光景に目を奪われます。
▼岩盤から染み出した地下水がいくつもの滝を作っている
普通、滝というと川の流れが崖を落ちているイメージですが、ここフンベの滝には崖の上に川は流れていません。地下水が崖の岩から染み出し滝となっているのです。実際によく見てみると、岩肌のいろいろなところから水がしたたっているのを見ることができるはずです。
▼滝になっているものだけでなく、水滴として落ちているものも
ところで「フンベの滝」とは、不思議な名前だと思いませんか。昔このあたりに鯨が打ちつけられたことからアイヌ語で「鯨の獲れる浜」という意味で名づけられたのだとか。(広尾町ウェブサイトより)
▼フンベの滝の看板
滝のある場所には看板が立っていますが、文字が消えかかっていて車からは確認することが困難です。ただし150mにも渡り何本もの滝が見られるので、まず見落とすことはないはずです。
▼約150mに渡って何本もの滝が見られる
フンベの滝の看板のそばには、石碑や日高山脈襟裳国定公園の看板があり、車を停められるような広いスペースの路側帯になっています。フンベの滝周辺は見通しの悪いカーブになっていますので、駐車する際や滝を見る際にはご注意を。
道路すぐ脇の崖から滝が流れ落ちる光景は、人工物と自然の織り成すなんとも不思議で魅力的な光景です。黄金道路を通る機会があったら、ぜひ思い出してください。
▼日高山脈襟裳国定公園の看板
【動画】動画で見るフンベの滝