フレンチドッグには砂糖を!道東ではアメリカンドッグに砂糖をつける!?

 皆さんは、アメリカンドッグには何をつけて食べますか?ケチャップ&マスタードというパターンが多いかもしれませんね。基本的にいって北海道でも同じです。ほとんどの人はケチャップ&からしですから。

 でも、道東ではちょっと事情が違ってきます。十勝・釧路・根室・北見網走(オホーツク)界隈で、特に釧路で顕著なのですが、「アメリカンドッグ」に砂糖をつけるのが一般的です。砂糖をつけると「アメリカンドッグ」よりは「フレンチドッグ」と呼ぶことが多いものです。道東とのつながりが深い方ならきっと知っているかもしれませんが、道央や道南ではあまりピックアップされない傾向にあるようです。


 道東では、揚げパンのような感じで、砂糖、特にグラニュー糖なのですが、それをフレンチドッグにまぶします。道東ほぼ全域のコンビニや釧路地方のスーパーでは店頭に並ぶほか、祭りの屋台などイベントでも登場します。砂糖かケチャップの選択式の場合もあれば、またはすでに販売時に砂糖がまぶしてあることもあります。

出店では、タッパーに予めたっぷり入れてある砂糖に揚げたてのフレンチドッグを入れ、回しながら表面にまんべんなく砂糖を付けていきます。実際に食べてみると、魚肉ソーセージ(通常のアメリカンドッグは魚肉ソーセージではないことが多い)の塩けのある味と、生地の上にまぶしてある甘い砂糖とが口の中で絶妙に絡み合います。初めて食べた人にとってはこれまで経験したことない味わいに驚き、概ね美味しいと好評です。

 こんな事情、道央や道南では考えられないこと。普通にケチャップがついてくるのが道南・道央ですね。最近では、札幌をはじめとする道央でも、北海道の大きな祭りではフレンチドッグを出している出店が増えつつあるなど、例外もありますので、札幌市民でも味わえる機会が増えてきています。


▼道内(特に道東)のお祭りの出店では、フレンチドッグ(フレンチドック)の名前を掲げて、砂糖かケチャップ(その他)選べるようになっている。

 なぜ釧路で「フレンチドッグに砂糖?」というと、起源は定かではないにしろ、炭鉱や漁業の歴史が関係しているとの説も。疲れたら甘いもの……ということで、疲れた作業員にうけたのが砂糖をまぶしたフレンチドッグだったというわけ。また、北海道はビートの生産量が全国一(というか北海道が100%生産)。フレンチドッグに限らず、砂糖のほうが手軽に手に入ることから、砂糖をつけて食べる文化は自然に広まったとも考えられます。今でも、道東出身の方は小さい頃から砂糖つきフレンチドッグで育つことが多く、大きくなって引っ越しても、あの味を懐かしく思うものです。

 北海道全域のというわけではないのですが、一部地域での事情でした。え?まじで?まずそう……と思いますか?ありえない……だろうが、邪道……だろうが、とにかく意外とおいしいので、今度フレンチドッグ(=アメリカンドッグ)を買うときは、砂糖を全面にまぶして食べてみてください。きっと美味しくいただけるはずですよ。