普及率はわずか25.7%!道民はクーラーなしで猛暑を乗り切る?

夏は本州並みに暑い日を記録することもある北国北海道。ときに、全国最高気温ランキング(気象庁)で北海道勢が上位を独占することもあります。そんな北海道でも、道民の家庭にはエアコン(クーラー)といった冷房機は多くない!ってご存知でしたか?

確かに小さいころからエアコンにはなじみがなかったかも……という道民も少なくないと思います。むしろ車についているエアコンのイメージしかないかもしれません。では、北海道におけるエアコン普及率はどのくらいなのでしょうか。調査しました。

全国平均86.4%に対し北海道25.7%

総務省統計局が公表している2014年(平成26年)「全国消費実態調査」では、都道府県別にルームエアコンの所有数量及び普及率を知ることができます。それによると、北海道・東北地方の普及率は全国平均を下回り、とりわけ北海道においてはわずか25.7%と極めて低い数字が出ています。

全国平均 86.4%
北海道 25.7%
青森県 51.6%
岩手県 57.2%
宮城県 69.3%
秋田県 72.3%
山形県 74.9%
福島県 68.9%
茨城県 89.5%
栃木県 89.5%
群馬県 87.2%
埼玉県 92.3%
千葉県 92.3%
東京都 89.6%
神奈川県 89.3%

以下、長野県や山梨県など一部を除いて9割近い数字が続きます。福島県以北で普及率は下がり始め、津軽海峡を渡ると普及率は4分の1にまで落ち込むことになるのです。(※出典:総務省平成26年全国消費実態調査「地域別1000世帯当たり主要耐久消費財の所有数量及び普及率」)

ファンマガ調べでも同様の結果が……

北海道ファンマガジンでは2010年にエアコン(クーラー)普及率を独自集計しました。その際の結果は次の通りでした。

道民:ある 18.5%
道民:ない 81.5%
道外:ある 86.6%
道外:ない 13.4%
(※2010年8月~10月インターネット調査、回答総数508件)

やはり2割の家庭にしかエアコン(クーラー)は導入されていませんでした。では今はどうなのでしょうか? 北海道ファンマガンでは改めて調査を行いました。

道民:ある 27%
道民:ない 73%
道外:ある 88%
道外:ない 12%
(※2017年7月インターネット調査、回答総数2,282件)

近年北海道も暑い日が続いているので我慢できず設置した、という投票者のコメントも何件か寄せられました。調査方法と回答総数が違うため一概には言えませんが、設置している家庭は若干増えたように感じられます。

北海道内でも地域によって設置率に大きな差が!

同じ北海道内でも気温に差があるため、エアコン普及率も違いがあるようです。北海道内の主要都市の統計からそのことが読み取れます。

道内主要都市別ルームエアコン普及率
札幌市 27.0%
函館市 25.1%
旭川市 34.0%
釧路市 5.3%
帯広市 48.8%
苫小牧市 20.2%
(※総務省平成26年全国消費実態調査)

8月でも最高気温21度にしかならない釧路市、そのエアコン普及率が一けた台であることに驚きです。同じく太平洋岸の苫小牧市も比較的低めの数字です。札幌市、函館市は北海道平均に近い数字ですが、猛暑日を記録したことが全国ニュースにもなる十勝・帯広市は5割近い普及率でした。このように、広い北海道では気候が違うため、地域差が出るという結果になりました。

北海道の夏は本州のような梅雨はなく、本当に暑いと感じる日も比較的多くなく、扇風機でしのぐこともしばしば。冬の暖房もエアコンでは役に立ちませんから、一年を通じてエアコンがなくてもなんとかなるのが実際のところです。それが普及率の低い一つの要因といえるでしょう。

しかしながら、温暖化に伴い北海道も暑い日が増えるかもしれません。それに伴ってエアコン(クーラー)を設置する家庭は増えていくのか……。注目したいところです。