なぜ北海道には製菓業者が多いのか……。その秘密を明かします。
北海道はお菓子の王国といえます。和菓子・洋菓子の原材料の生産地で、地元でとれた農産物や酪農や畜産物をふんだんに使ったお菓子がほとんどです。素材の生産からお菓子への加工まで北海道で行えるのが魅力の一つです。
特に砂糖・小麦・小豆・乳製品を使う菓子において、北海道は地の利を生かしていると言えます。したがって、和菓子よりも洋菓子に強いのが北海道のお菓子です。新鮮な素材がなんでもそろっており、菓子職人らの競争もあって、歴史は浅いとはいえ、その質の高さゆえに全国にファンがいるお菓子もあります。
北海道のお菓子作りの先駆けはなんといっても、早くに開けた道南。函館、江差、松前の歴史的に重要な3地点では、古くから製菓事業が始まり、全道に広まっていきました。特に函館で始まった千秋庵総本家は、札幌市で札幌千秋庵、帯広市では六花亭として分家、今に至っています。
詳しくは各ページで紹介するとして、道内の主な製菓についてご紹介しておきましょう。全国に名をとどろかせる有名製菓といえば、筆頭に挙がるのは札幌市の「石屋製菓」でしょう。「白い恋人」といえばおわかりでしょうか。十勝では豊富な農産物資源を生かして「六花亭」と「柳月」の十勝二大製菓がしのぎを削っています。
道南では老舗となる「五勝手屋羊羹」が江差町で130年以上の歴史を誇っています。洞爺湖では「わかさいも」が。道内でも比較的歴史のある小樽市では「ぱんじゅう」など和菓子が生産されています。近年では洋菓子の「もりもと」、生チョコレートの「ロイズコンフェクト」なども人気になってきています。
こんなにある!道内の主要な製菓
■道南
函館市:千秋庵総本家(和菓子)、はこだて柳屋(いかようかん)、紅谷製菓(銘菓函館山)、ペイストリースナッフルス(チーズオムレット)、昭和製菓(北海道チョび)、末広堂菓子店(千種羊羹)
江差町:五勝手屋本舗(五勝手屋羊羹)
七飯町:沼の家(大沼だんご)
せたな町:甲田菓子店(ローソク岩)
長万部町:アマンドにしだ(かに最中)、青華堂(雪花青)、松浦製菓(かにせんべい)
■後志胆振日高
倶知安町:やまぐち菓子舗(くっちゃんのじゃが太くん)
岩内町:かねきち藤田(ホップまんじゅう)、楠菓子舗(助宗最中)
洞爺湖町:わかさいも本舗(わかさいも)
室蘭市:草太郎
白老町:若草本舗(雁月・泡雪)
苫小牧市:三星(よいとまけ)
新ひだか町:八木菓子舗(三石羊羹)
浦河町:甘泉堂(優駿旅情)
小樽市:ルタオ(ドゥーブルフロマージュ)、桑田屋(ぱんじゅう)、新倉屋(串団子)、あまとう(マロンコロン)
■石狩空知
札幌市:石屋製菓(白い恋人)、ロイズコンフェクト(生チョコレート)、ほんま(月寒あんぱん)、札幌千秋庵製菓(山親爺)、冨士屋(とうまん)、わらく堂(スイートオーケストラ)、ベイクドアルル(北の純生シュー)、きのとや(きのら)、菓か舎(札幌タイムズスクエア)
江別市:山サ煉化餅本舗(煉瓦もち)
千歳市:もりもと(フレッシュバター)
岩見沢市:赤いリボン(めーぷるの樹)、天狗まんじゅう
夕張市:小倉屋(ぱんじゅう)
美唄市:長栄堂(くるみ餅)
栗山町:谷田製菓(日本一のきびだんご)
長沼町:森下松風庵(石狩大平原)
砂川市:北菓楼(妖精の森)
滝川市:おかだ菓子舗(モンモオ)
深川市:高橋商事本店(ウロコダンゴ)
赤平市:石川商店(塊炭飴)
芦別市:よねた製菓(星の降る里)
■道北・オホーツク
旭川市:共成製菓(旭豆)、サンミッシェル(すえひろフロマージュ)、ロテルド北倶楽部(たいせつ)、TheSUN蔵人(向日葵蔵)、ロバ菓子司(あずチャンかぼチャン)、壺屋総本店(き花)、だるまや(バナナ焼き)
東川町:ゝ月庵菓子舗
富良野市:プチフルール(ふらのワッフル)
北見市:菓子處大丸(ほっちゃれ)、清月(赤いサイロ)
紋別市:高砂屋菓子舗(渚滑川羊羹)
士別市:菓子工房 美吉屋(こもちめんよう)
名寄市:喜信堂(森のシンフォニー)
留萌市:一久庵菓子店(にしんパイ)、千成家(るもいの乙女)、タマムラ菓子店(あわび最中)
羽幌町:あきやま(両天焼)
天塩町:とらや菓子司(はまなす最中)
稚内市:小鹿菓子店(エゾカンゾー)
■道東
広尾町:亀屋(毛がにパイ)
音更町:柳月(三方六)
幕別町:杉野菓子店(ねこの座布団)
帯広市:六花亭(マルセイバターサンド)、クランベリー(スイートポテト)、あくつ(ミルクロード)
池田町:おかしの小松(ワイン羊羹)、米倉商店(バナナ饅頭)
釧路市:北海まりも製菓(まりも羊羹)、松竹屋製菓(ねこのたまご)
弟子屈町:長谷製菓(丹頂鶴の卵)
厚岸町:あら川菓子司(牡蠣最中)
中標津町:長谷川菓子舗(標津羊羹)
根室市:端谷菓子店(元祖オランダせんべい)