【函館市】函館市のコミュニティカフェの『じゃがパフェ』が、話題を呼んでいます。今金町の男爵薯(いも)を使ったパフェ、どんな味わいなのでしょうか? 美味しいという評判があちこちから流れてくるものの、いまひとつイメージが描けなかった『じゃがパフェ』を食べてきました。お味はいかに!?
じゃがいもを使った『じゃがパフェ』誕生の発端は?
『コミュニティカフェ はなはな』(函館市昭和)は2012年6月にオープン。地域の様々な世代が集うことができる場として、着実にファンを増やしています。そのお店が2014年秋に提供を始めた『じゃがパフェ』。「じゃが」がついている通り、もちろん、じゃがいもを使ったパフェです。
「美味しかった!」という評判が聞こえてくるものの、「じゃがいも+パフェ」のイメージは、考えているだけではなかなかわいてきません。そもそも、どうしてじゃがいもを使ったパフェが誕生したのでしょうか。オーナーの多田朋美さんにお話を伺ってきました。
▼コミュニティ&カフェはなはな
▼はなはなオーナー多田朋美さん
2014年夏に季節限定で「桃パフェ」を提供し、大好評だった同店。新しいパフェの構想を考えていた朋美さんに、夫の達弘さんがこう言いました。「『もも』の次は同じように2文字でいこう!『いも』だ、『いもパフェ』だ!」。
「いも!? 栗だったらありえるけど……」と、仰天し戸惑う朋美さんに、達弘さんは「栗だったらやっているところはたくさんある。今までにないものを作るのが、腕の見せどころじゃないの!?」。こんな風に言われたら、小学生と中学生3児の母でもあり、常に家族の美味しい食卓を追求してきた朋美さんの「美味しいものを作り上げたい」という探究心に、火がついたそうです。
じゃがいもとスイーツをどう組み合わせる?
さて、どこから始めるか……。取り合えず、チョコレートのかかったポテトチップスをイメージし、電子レンジで加熱したじゃがいもにチョコレートをかけてみたところ「説明できないほどおいしくなかった」。
試行錯誤の結果、ティラミスの材料として知られるマスカルポーネチーズを使ったクリームと、道南・今金町産の男爵薯を使ったはなはな特製「じゃがクリーム」が、口の中で自然に調和するところに行き着いたそうです。そして、クリームの周りには、炒めてカリッとさせた大学いも風の食感の角切りのじゃがいもをトッピング。パフェの上で冷たいものと温かいものが競演するという新発想です。じゃがいもと甘いものを飽きずに食べてもらうために、塩味の円形のスナックを飾り、王冠に見立てました。さり気ない苦味でアクセントを効かせるために、純ココアを振っています。
男爵薯を選んだのは、他の品種も使ってみた結果、じゃがいものシャキシャキ感を少し残したじゃがクリームが一番作りやすかったからだそう。印象的だったのは、じゃがクリームと角切りのじゃがいもは、甘さがかなり抑えられているものの、じゃがいもそのものの美味しさで飽きずに食べられる点です。
初めての人は、上から順に、生クリーム、チーズクリームと角切りじゃがいも、一番下のじゃがクリームの順に食べていくそうですが、リピーターの中には混ぜて食べる人もいるそうです。甘味、塩味、じゃがいもの味のバランスがよく、甘さにもじゃがいもにも飽きないどころか、食べ終わるのが惜しい気持ちでした。
▼試行錯誤の末完成した「じゃがパフェ」
男性客のリピーターも
「出し始めた頃は不安もありましたが、リピーターさんも増えて地味に人気です」と朋美さん。男性客のリピーターもいるそう。当初は期間限定の予定でしたが、ジワジワと好評につき、延長して提供する予定です。
ところで、このパフェの誕生のきっかけとなった、達弘さんのネーミング「いもパフェ」が採用されなかったのは、「『いもパフェ』より『じゃがパフェ』の方が、女性も頼みやすいから」で、達弘さんは一抹の寂しさも感じているようだとのこと。そんな「じゃがパフェ」には、形や味が出来上がっていくまでに、料理上手な常連のお客さんたちと頭を付き合わせて話し合うなど、仲間たちの発想も詰まっているそうです。
「夫という一番近いところにいる人の発案でなかったら、じゃがいもとパフェなんて無理、と最初から決めつけていたかもしれず、仲間の力もなければ完成しなかった」と朋美さん。たくさんの人が集う「はなはな」らしい、ユニークなじゃがパフェの味と誕生ストーリーでした。
じゃがパフェは税込540円。同価格でテイクアウトも可能(30分以内で食べられることを想定)。ビッグサイズは税込980円です。
▼コミュニティカフェ はなはな
所在地:北海道函館市昭和3-6-1 [地図]
TEL: 0138-76-8703
公式ウェブサイト