北海道弁広める熊キャラ「やべーべや」のLINEスタンプが好評

【札幌市】誰でもオリジナルのLINEスタンプを作ることができるようになって半年。北海道でも北海道ならではのLINEスタンプを作り公開する例が増えてきた。その一つ、北海道の方言を広めるキャラクター「やべーべや」のLINEスタンプは、第一弾が18000個も売れる人気ぶり。道民なら使ってみたくなるスタンプが目白押しだ。おじさんっぽくどこか憎めない「やべーべや」はどのように生み出されたのか、また「やべーべや」で北海道の方言を広める意義とは。作者の五十嵐さんに話を聞いた。

調べるうちに魅力を感じた北海道弁、新キャラクターに乗せて

作者の五十嵐さんは、札幌市内の地域情報サイト「山鼻ナビ」の運営者でもある。2014年7月、北海道といえば「クマ、キツネ、ヒツジ、フクロウ、イカ、カニ……」と候補を上げていく中で、子供のころ「やべーべや」とよく言っていたことをヒントに方言の「べや」と「Bear」を掛け合わせ、熊のキャラクター「やべーべや」にすることが決まった。「熊が方言を話すので、少し田舎くさい熊がいいなぁ」となり、おじさんっぽく眉毛と口元に特徴をつけた。

当初は山鼻ナビのキャラクターなどをLINEスタンプで制作していたものの、どれも文字なしスタンプだったという五十嵐さん。LINEスタンプのランキングで上位に位置する人気スタンプは文字有りのものが多いこと、その中には方言を使ったスタンプがあること、また、北海道弁のスタンプは当時はまだ1つしかなく使いにくそうな言葉が多いことに気付いたという。

そこから自分で北海道弁を調べていったが、調べていくうちにあたたかみのある表現があることを知り、徐々に魅力を感じ、北海道の方言を広めていきたいという思いに至ったという。例えば、「札幌はあまり方言が少ないと感じていたものの、『これも北海道弁?』という驚きが衝撃的で、周りの人と話しても会話が弾み、相手の方に親近感も湧くようになり、方言の良さを感じ取った」と話す。

「久しぶりに北海道弁で会話できて楽しい」との声も

こうして「やべーべや」考案から間もない8月13日、「北海道弁・熊出没注意!やべーべや」のLINEスタンプは完成、申請した。「おばんです」「なんもなんも」「いずい」「あずましいなぁ」「しばれる」「したっけ」「わや」など北海道の方言の常連はもちろん、「既読ささってた」「あ!!ごめん押ささった」といった、スマホ・LINEあるあるなスタンプもあるのが特徴。「やべーべや」が体を張ってそれぞれの方言を表現する。

この第一弾は9月23日に公開され、最高ランキング82位を記録、最大18000回ダウンロードされたという。その後、第二弾「凍結注意!やべーべや」を考案。「てっころんじゃった」「降ってきたべ」「なまらスベる」「しゃっこい」といった冬に使えそうなスタンプと、未収録の新作を合わせ、10月17日に公開した。

公開後反響は上々。「スタンプだけで会話が成立しちゃう」という声から、「これも北海道弁だったんですか?」という驚きの声までさまざま聞くという。「久しぶりに北海道弁で会話できて楽しい」と言ってくれる人もいるので、作ってよかったと、喜びを語る。現在第3弾を制作中といい、SNSで欲しい方言スタンプのリクエストを募集している。

「方言は自然と身につくものだが、小さい頃は耳にした方言も、大人になってからはあまり聞かなくなってきているのも事実で、このままでは北海道弁がなくなってしまうのではと思うことがある」と話す五十嵐さん。今後もSNSを活用しながら、キャラクター「やべーべや」とともに北海道の方言を広めていきたい考えだ。
詳しくは、やべーべや公式Facebookページ参照。