沿岸バス公式Twitterアカウント(以下、沿岸バス)が作成した、一般路線バスだけを使った北海道縦断の行程表(函館~稚内間)が予想以上の反響を呼んだが、北海道縦断があるなら北海道横断も欲しくなる。同社は早速、北海道横断の行程表(函館~根室間)および稚内~根室間の行程表を作成し公開した。
その乗り継ぎ行程表によると、一般路線バスが通っていない地域があるため大幅に迂回しなければならず、北海道縦断以上に過酷な旅になることが予想される。かかる日数は函館~根室、稚内~根室ともに丸5日間。北海道横断については、高速乗合バスを使えば最短2日間で着く行程だが、路線バスだけで行こうとすると大変な旅程になることが判明した。果たしてチャレンジするツワモノは現れるのだろうか(チャレンジした方はぜひご一報ください)。
では、早速その行程表を見てみよう。函館~札幌間は北海道縦断と同じだ。(2014年9月14日現在、平日ダイヤベース、沿岸バス作成。斜里町知床エリアの路線バスは10月14日以降ダイヤが大幅に改正される。冬季も含めウトロ温泉~知床峠~阿寒バス羅臼営業所間の乗継はできないので注意が必要)
1日目:函館~倶知安
▼函館バス(函館長万部線)
10:15発 函館駅前
13:10着 長万部駅前
▼ニセコバス(長万部線)
15:50発 長万部駅
16:52着 寿都ターミナル
▼ニセコバス(雷電線)
17:30発 寿都ターミナル
18:38着 岩内ターミナル
▼ニセコバス(小沢線)
18:40発 岩内ターミナル
19:24着 倶知安駅前
2日目:倶知安~浦河
▼ニセコバス(小樽線)
07:55発 倶知安駅前
09:22着 小樽駅前
▼ジェイ・アール北海道バス(宮65小樽線)
10:15発 小樽駅
11:24着 地下鉄宮の沢駅前
▼ジェイ・アール北海道バス(66小樽線)
11:29発 地下鉄宮の沢駅前
12:02着 JR札幌駅
▼北海道中央バス(急行千歳線)
13:30発 札幌ターミナル
14:57着 千歳駅前
▼北海道中央バス(大和線)
15:07発 千歳駅前
15:21着 新千歳空港
▼道南バス(苫小牧~新千歳空港)
15:40発 新千歳空港
16:30着 苫小牧駅前ターミナル
▼道南バス(苫小牧~浦河)
16:35発 苫小牧駅前ターミナル
19:15着 浦河役場前
3日目:浦河~北見
▼ジェイ・アール北海道バス(日勝線)
08:32発 役場前
09:10着 様似営業所前
▼ジェイ・アール北海道バス(日勝線)
10:12発 様似営業所前
12:05着 広尾
▼十勝バス(広尾線)
12:17発 広尾
14:40着 帯広駅前バスターミナル
▼十勝バス(帯広陸別線)
15:05発 帯広駅バスターミナル
17:55着 陸別
▼北海道北見バス(陸別線)
18:10発 陸別
19:44着 北見
4日目:北見~斜里ウトロ
▼北海道北見バス(美津線)
06:50発 北見
07:31着 美幌
▼網走バス(女満別空港経由美幌線)
09:00発 美幌駅前
09:59着 網走バスターミナル
▼網走バス(斜里線)
11:50発 網走バスターミナル
12:57着 斜里駅前
▼斜里バス(知床線)
14:20発 斜里バスターミナル
15:10着 ウトロ温泉バスターミナル
5日目:斜里ウトロ~根室
▼斜里バス(ウトロ線)
09:20発 ウトロ温泉バスターミナル
10:10着 羅臼
▼阿寒バス(釧路羅臼線)
12:45発 羅臼営業所
14:13着 中標津バスターミナル
▼根室交通(中標津線)
15:40発 中標津バスターミナル
17:07着 厚床駅前
▼根室交通(厚床線)
17:10発 厚床駅前
17:58着 根室駅前ターミナル
お気づきの通り、札幌から苫小牧、広尾、北見、知床を経由した旅行程となる。利用するバス会社は、函館バス、ニセコバス、ジェイ・アール北海道バス、北海道中央バス、道南バス、十勝バス、北海道北見バス、網走バス、斜里バス、阿寒バス、根室交通の11社。合計23回の乗り継ぎを要し、30,860円かかる計算になる。宿泊地は、倶知安町、浦河町、北見市、斜里町ウトロ。なお、土日祝日はダイヤが変わるため、3日目の夜は陸別町での宿泊となる。
初日、長万部で昼過ぎに1時間半以上の待ち時間が発生するので、かにめしを食べるなどするとよい。2日目も昼に札幌駅で1時間半の待ち時間がある。3日目は様似で1時間の待ち時間が発生する。広尾で昼に15分、帯広でも25分の待ち時間があるのでいずれかで昼食を購入できる。4日目は美幌で1時間半、網走でも2時間弱、斜里で1時間半弱の待ち時間が発生、ウトロにも早く着き、5日目も羅臼で2時間半、中標津で1時間半の待ち時間があるため、道東では街中を観光したりするなど、比較的ゆったりしたスケジュールで旅できそうだ。
では、稚内~根室だとどうなるのだろうか。紋別~網走(湧別~サロマ湖間)に直通の路線バスがなく、オホーツク海沿岸をスムーズに進むことができないため、とんでもないルートになるそうだ。なお、3日目以降は北海道横断と同じだ。
1日目:稚内~富良野
▼宗谷バス(天北宗谷岬線)
05:45発 稚内駅前ターミナル
08:21着 浜頓別ターミナル
▼宗谷バス(浜頓別線)
08:30発 浜頓別ターミナル
09:15着 枝幸ターミナル
▼宗谷バス(音標雄武線
10:15発 枝幸ターミナル
11:22着 雄武
▼北紋バス(雄武線)
11:44発 雄武
12:20着 興部
▼名士バス(興部線)
12:25発 興部
13:57着 名寄駅前
▼道北バス(急行名寄線)
14:40発 名寄駅前
16:56着 旭川駅前
▼ふらのバス(快速ラベンダー号)
17:25発 旭川駅前
19:00着 富良野駅前
2日目:富良野~浦河
▼占冠村営バス(富良野線)
09:25発 富良野駅前
10:35着 占冠駅前
▼日高町営バス(占冠線)
12:50発 占冠駅前
13:14着 道南バス前
▼道南バス(日高沿岸線)
15:00発 日高ターミナル
16:34着 富川市街
▼道南バス(苫小牧~浦河)
17:35発 富川大町
19:15着 浦河役場前
3日目:浦河~北見
▼ジェイ・アール北海道バス(日勝線)
08:32発 役場前
09:10着 様似営業所前
▼ジェイ・アール北海道バス(日勝線)
10:12発 様似営業所前
12:05着 広尾
▼十勝バス(広尾線)
12:17発 広尾
14:40着 帯広駅前バスターミナル
▼十勝バス(帯広陸別線)
15:05発 帯広駅バスターミナル
17:55着 陸別
▼北海道北見バス(陸別線)
18:10発 陸別
19:44着 北見
4日目:北見~斜里ウトロ
▼北海道北見バス(美津線)
06:50発 北見
07:31着 美幌
▼網走バス(女満別空港経由美幌線)
09:00発 美幌駅前
09:59着 網走バスターミナル
▼網走バス(斜里線)
11:50発 網走バスターミナル
12:57着 斜里駅前
▼斜里バス(知床線)
14:20発 斜里バスターミナル
15:10着 ウトロ温泉バスターミナル
5日目:斜里ウトロ~根室
▼斜里バス(ウトロ線)
09:20発 ウトロ温泉バスターミナル
10:10着 羅臼
▼阿寒バス(釧路羅臼線)
12:45発 羅臼営業所
14:13着 中標津バスターミナル
▼根室交通(中標津線)
15:40発 中標津バスターミナル
17:07着 厚床駅前
▼根室交通(厚床線)
17:10発 厚床駅前
17:58着 根室駅前ターミナル
稚内から興部までオホーツク海岸、そこから名寄、旭川、富良野を下り浦河まで至る。そのあとは帯広、北見、知床を経由し根室に到着する。利用するのは、宗谷バス、北紋バス、名士バス、道北バス、ふらのバス、占冠村営バス、日高町営バス、道南バス、ジェイ・アール北海道バス、十勝バス、北海道北見バス、網走バス、斜里バス、阿寒バス、根室交通の15社。23回乗り継ぎ、合計34,090円かかる計算。宗谷バス音標雄武線は期間限定運行、斜里バスは10月14日以降ダイヤが変わるので注意。
初日は稚内が6時前と早い。枝幸で1時間の待ち時間、名寄で45分ほど、旭川で30分ほど、占冠で2時間以上、日高で1時間半以上、富川で1時間の待ち時間が発生する。特に見所が少なく待ち時間の長い占冠や日高での時間つぶしが課題になろう。占冠では昼食、日高では道の駅にある日高山脈館を見学するのも良いかもしれない。
積極的な利用を
先に掲載した北海道縦断の路線バスの旅と合わせると、函館発着で北海道を一周する、路線バス乗り継ぎの旅が完結する(函館→稚内、稚内→根室、函館→根室のため、この通りやっても一周はできない)。その場合、約半月、旅に必要な計算となる。
相変わらず、作成者の沿岸バスは行程に一切含まれていないにもかかわらず、同社アカウントでは、「生活路線として国や北海道、沿線の自治体等の公的補助や沿線のお客様の温かい支援で輸送を維持している系統も数多くあります。ぜひ、皆様の旅の手段のひとつとして、積極的なご利用をお願いいたします」と結んでいる。
※時刻・運賃の正確性を保証するものではありません。遅延や運休が発生することもありますので、参考程度にしていただき、各自事前調査の上ご利用いただければ幸いです。