タイガとココアの記念撮影パネルより。
2009年に釧路市動物園が人気になったのはこの兄妹によるところが大きいです。アムールトラの双子の兄妹は、2008年5月24日に同動物園で誕生しました。兄つまり雄のタイガ、妹つまり雌のココアは障害を持って生まれました。
誕生したのは2頭ではなく3頭でした。動物園公式資料によると雄2頭はそれぞれ1040g、830g、雌1頭は890gでしたが、830gの小さな雄が同日すぐに死亡しました。誕生時、未熟児しかも仮死状態で誕生しました。残った2頭も当初は絶望視されていました。
四肢に障害を持っていて、後に「軟骨形成不全症」と診断されました。極めてまれのようです。共通して左足の骨の変形、手足の骨の成長不全、手首足首の骨の未発達、タイガは胸椎・腰椎に変形があったとしています。
当初は公開していませんでしたが、奇跡的に回復し、2008年12月以降展示を始めました。そして2009年4月5日に新飼育舎が竣工し「タイガとココアの運動場」に転居しました。性格はタイガがおっとりしていて慎重、ココアは好奇心が強く積極的です。
障害にも負けずに成長していく姿が話題を呼んだ兄妹のタイガとココア。しかし、2009年8月25日17:28、タイガが急死しました。障害のためではなく、肉片をのどに詰まらせたことが原因でした。タイガがいなくなった後、トラ飼育舎にはメッセージが寄せられ、タイガの檻には大型写真パネルと花が飾られました。
今はココアだけですが、屋外には1歳の誕生日の際に設置された記念パネル、新飼育舎屋内通路にはメッセージや写真がおかれています。2頭のための応援歌も作成されましたし、全国からも注目され、「どうぶつ奇想天外」「アンビリーバブル」などテレビ番組でも紹介されました。
スタッフによる説明
タイガとココア1
タイガとココア2
タイガとココア3
タイガとココア4
タイガとココアの歌
1 釧路で生まれた 二頭の命
脚の障害 つらいけど
親から受けた 誇りに生きる
アムールタイガー 強いんだ
2 おっとりタイガと やんちゃなココア
僕たち仲良し、きょうだいさ
今日も笑顔で 遊びに来てね
ステップ ジャンプも うまいだろ
3 園の願いと 希望と愛を
たくさん たくさん もらったよ
みんなの励まし 嬉しいんだよ
だからありがとうって 吠えるんだ
空に向かって 吠えるんだ
タイガとココアの本出版!
「タイガとココア 障がいをもつアムールトラの命の記録」という単行本が2009年11月20日に朝日新聞出版から発売されました。160ページのこの本には、誕生から仮死状態からの蘇生、前例のない飼育、1歳の誕生日、タイガの急死まで、220枚の写真を交えた飼育秘話です。タイガとココアファンは必見の一冊です。
「いのちかがやけ!タイガとココア―障がいをもって生まれたアムールトラのきょうだい」は大型絵本です。子供向けですが、大人も楽しめます。2009年10月に出版されました。