道内には既に新幹線が上陸していた!? 流山温泉駅に200系展示のナゼ

【七飯町】北海道新幹線の先行開業は2015年度。しかし、それ以前に北海道に新幹線車両が上陸しており、現在も見ることができる、というのをご存じだろうか。それも2002年頃以降というから比較的最近の話なのである。

今回紹介する新幹線車両がある場所とは、函館本線渡島砂原まわりにある流山温泉駅である。駅ホームに停車しているかのような形で、東北新幹線200系車両3両(元JR東日本仙台総合車両所所属F37編成のうち222-15・215-15・221-15=1,11,12号車、グリーン車含む、1981年10月製造)が屋外静態保存されている。200系のこの編成は、20年間で81万kmを走行、2001年9月に引退・廃車となった。では、そもそもなぜここに新幹線車両があるのだろうか。

流山温泉駅は、隣接する流山温泉オープンに伴って2002年4月27日に開業している。流山温泉は、現在はJR北海道グループ会社のジェイ・アールはこだて開発が運営するが、当初はJR東日本も出資する関連会社、北海道企画開発が運営していた。こうした経緯で、JR東日本所属の200系車両を北海道に持ち込み、流山温泉及び流山温泉駅開業時に展示することとなったようだ。また、雪に強い特徴がある車両を展示し、雪国北海道にも新幹線が走ってほしいという願いも込められている。



普段は実際に車内に入ることはできないが、階段がつけられている。また、ホームから車内の様子を見ることができる。車両の保存状態はあまりよくはない。特に函館方向の先頭車両は酷い状態だ。とはいえ、北海道で本物の新幹線車両を見ることができるのはなんだか不思議な感じである。流山温泉駅は、流山温泉からしか行くことができない。温泉のついでに新幹線車両を見てみてはいかが?

※JR北海道は2013年5月24日、この車両の撤去・解体を発表した。車両の老朽化が著しいことが理由。2013年6月末までに撤去する。