ユニークな珍名河川「ヤリキレナイ川」をたどってみる

道民なら知っている人も多いのでは?「ヤリキレナイ川」という何ともユニークな河川があります。テレビでも取り上げられ全国区になりました。そんなヤリキレナイ川をたどってみました。

「ヤリキレナイ川」とは由仁町にある小さな一級河川。日本語の「やりきれない」と同じであることから、大変ユニークな珍名河川として知られるようになりました。2003年にテレビ番組「トリビアの泉」でも紹介され、かつてザリガニ等生物が生息していたこと、1965年頃初めて公文書に第一級河川として登場していたことなどが紹介されました。その後も河川名を番組名としたテレビ番組も登場しました。

▼下流の看板

▼上流の看板

この川の名前の由来は諸説あり、1.アイヌ語の「魚の住まない川」を意味する「ヤンケ・ナイ」、または、2.アイヌ語の「片割れの川」を意味する「イヤル・キナイ」とされており、明治時代に大雨が降るたび氾濫し「やりきれない」思いになることが多かったことから「ヤリキレナイ川」と呼ぶようになったと言われています。

さて、この「ヤリキレナイ川」は全長5kmと比較的短い川です。石狩川水系で、夕張川に合流する支流となっており、由仁町市街地や道道沿いを通っていることから容易に発見することができます。川の源流は森の中ですが、それ以外ほとんどは車でたどることすらできます。ということで、今回はヤリキレナイ川をたどってみましょう。


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全長約5km!ヤリキレナイ川をたどる

ヤリキレナイ川の上流は、道道3号線の長沼町との境界付近に端を発しています。ちょうど「北海道中央種鶏場」があるあたりです。道道3号線にその姿を見せるのは、長沼町側から山を下りてきて最初の信号機のある交差点。ここで小さな用水路のような川となって現れます。

▼上流域(道道3号線沿い)の様子


その後道道3号線の北側へ抜け、馬追地区、由仁町立病院の裏手、由仁幼稚園、由仁小学校付近を通り、道道694号線に沿って直線で流れることになります。そのまま夕張川方向に進み、山形地区で道道694号線の橋をくぐり夕張川へ静かに合流します。その合流地点まで砂利道が続き、行くことができるようになっています。

▼中流域(由仁町市街地)の様子





▼下流域(夕張川合流地点付近)の様子


ヤリキレナイ川は住宅地の外れを流れており、幾つもの生活道路の橋をくぐることから、あちこちに「ヤリキレナイ川」と掲げられた看板を見かけます。そして、小さい河川でありながら、コンクリートブロックによる護岸工事が施されており、どこか人工的な川のように見えます。水量も思ったほどではありません。

大自然北海道の川だからと期待して行くとがっかりすること間違いなしの川ですが、民家の立ち並ぶ中を流れていることと見つけやすいことゆえに、誰でも「やりきれない」気持ちを味わうことができる河川です。