北海道は広い。とにかく広い。その広さは鉄道での移動時間の長さにも表れます。道外には新幹線がありますが、北海道は2016年3月に北海道新幹線が開業したとしても大部分はまだ在来線特急です。その移動時間を比較してみました。すると、札幌―稚内間は東京―博多間に、札幌―釧路間は東京―新函館北斗間にほぼ相当することが判明しました。
札幌―稚内・網走間は、東京―博多間よりも長い
JR北海道は、札幌―網走間を結ぶ特急「オホーツク」、札幌―稚内間を結ぶ特急「スーパー宗谷」「サロベツ」を運行しています。札幌―網走間は「オホーツク1号」で5時間25分。一方、札幌―稚内間は「スーパー宗谷1号」で5時間12分かかります。いずれも5時間を超す長大区間です。
道外でこれとほぼ同じ時間を走るのが、東海道山陽新幹線の東京―博多間。総距離1069.1㎞あります。この区間を「のぞみ64号」は4時間47分で走り抜けます。5時間前後という移動時間は、前述の札幌―網走、札幌―稚内間の特急の所要時間に匹敵します。距離は300㎞台と1000㎞台と2倍以上の開きがありますが、北海道内の移動がいかに時間のかかるものか物語っています。
札幌―網走「オホーツク1号」5時間25分・374.5㎞
札幌―稚内「スーパー宗谷1号」5時間12分・396.2㎞
札幌―釧路間は、東京―新函館北斗間にほぼ相当
もう少し距離を短くしてみましょう。JR北海道は札幌―釧路間に特急「スーパーおおぞら」、札幌―函館間に特急「北斗」「スーパー北斗」を運行しています。札幌―釧路間は「スーパーおおぞら1号」で3時間59分。一方、札幌―函館間は「スーパー北斗8号」で3時間32分かかります。いずれも最速で4時間を切っていますが、3時間半以上かかる距離です。
これとほぼ同じ時間を走るのは、2016年3月に開業する北海道新幹線・東京―新函館北斗間の最速便で約4時間。札幌―東京間を鉄道で移動する場合、最速で行けば、時間的に言って新函館北斗駅がほぼ中間にあたることになります。また、札幌―釧路間を移動するのと東京―新函館北斗間を移動するのはほぼ同じ時間になります。
北海道新幹線・東京―新函館北斗、約4時間・862.5㎞
札幌―釧路「スーパーおおぞら1号」3時間59分・348.5km
札幌―函館「スーパー北斗8号」3時間32分・318.7㎞
札幌―旭川間は、羽田―新千歳間を飛行機で移動するのとほぼ同じ
鉄道とは少しずれますが、空路と比べてみましょう。JR北海道・札幌―旭川間を結ぶ特急「スーパーカムイ」は最速で1時間25分です。一方、羽田―新千歳間を飛行機で移動する場合、概ね1時間半かかります(札幌―新千歳間の移動時間を除く)。札幌から旭川に行くのと東京に飛行機で行くのはほぼ同じです。
北海道内を陸路で移動するよりも東京に飛行機で行くほうが早い――。これは道民の間でよく言われること。北海道内の移動がいかに大変なのか、ご理解いただければ幸いです。
札幌―旭川「スーパーカムイ3号」1時間25分・136.8㎞