北海道で育った方なら、「炊事遠足」と聞いて「あ~、あれか、懐かしいなぁ」となるでしょうか。分からない人は分からないかもしれませんが、大丈夫です。この号を読めば、北海道の定番行事のひとつを知ったことになります。
炊事遠足ってなんだべ?
炊事遠足または野外炊飯ということもありますが、簡単に言うと、「野外クッキングタイム~」です。「屋外で」というのがポイントですね。外で家庭科の調理実習ができます。もうひとつ「学校行事」であるということ。これも大きなポイントです。
実施するのは主に小学校高学年や中学校の行事でです。高校や大学でも実施するところもありますし、北海道だけではなくて青森県など東北地方でも行っているところがあるようです。
実施する月は、春から秋にかけて。特に、5月~7月、9月、10月が多いのですが、実際に学校から歩いて、まさに遠足で炊事場のある公園に行きます。とはいっても、中には宿泊研修のプログラムの一部として、時間を割いて行うこともあります。
北海道には、けっこう「炊事場」「炊事遠足広場」なんていう施設が設けられている公園があります。札幌市内なら藻南公園や滝野すずらん丘陵公園といったところは有名です。
炊事遠足の様子とは?
まず、班ごと(つまり男女6人くらいのグループごと)に打ち合わせの時間がとられます。少年の家とかなら、器具を貸し出してくれるところもありますが、材料はもちろん、まきとか炭など一式を持参していきます。その計画を立てます。
たいてい、カレーライスや豚汁(北海道ではぶたじると読むのが正しい)、丼モノ、焼肉・ジンギスカンがメニューとして選ばれます。どれか一つを選びます。
炊事遠足の日。現地に行って、各自持ち寄った材料・調理道具を駆使して、自分たちだけで料理をします。材料を切ること、火をおこすこと、煮ること、焼くこと、炊飯、すべて自分たちです。
中には焦げた~というグループ、さぼるなぁ~と怒られるグループもあったりして面白いのが炊事遠足。この行事を通して、グループ内、誰が料理得意か不得意か鮮明に、あらわになります(笑)。
食べて終わりじゃないですね。後片付けまでが実習です。調理器具を施設から借りたのであれば、しっかり洗って、チェックを受けてから返却となります。ゴミ処理も当然。
という一連の流れですが、本当に懐かしいものです。北海道独特の行事としていつまでも続けてもらいたいものです。