憧れの福原美穂さん目指して―パワフルな歌声で魅了する岸本彩夏さん

道内で活動する注目の若手シンガーを紹介するシリーズ、その第一回目は、小樽出身の歌うたい・岸本彩夏さん(19)。10代とは思えないパワフルな歌声と豊かなビブラートが特長で、本格的に歌を始めてわずか2年半ながら、参加したオーディションではたびたびファイナル進出や受賞するなど実績を持つ。(2014/6/19現在)

岸本彩夏 (AYAKA KISHIMOTO)
1994年7月24日生まれ、小樽市出身、在住。札幌を拠点に活動する歌うたい。高校2年生のとき、ソニーミュージック北海道限定学生だけオーディションFINALで賞を受賞したことをきっかけに、札幌のVoice Worksに通い本格的に歌を習い始める。2012年、キングレコードドリームボーカルオーディションで全国1万人以上の応募者からファイナリスト15名に名を連ねる。2013年、YAMAHA Music Revolution 札幌セミファイナルでグランプリ受賞、東日本ファイナルに進出。2014年1月からFM白石「We Love R&B」のパーソナリティ。2014年6月18日、自身参加のコンピレーションアルバム「Sapporo Girls Compilation」を発売。

まずは聴いてみよう:岸本彩夏さんのライブ映像(2013/1/13 VOICE&RHYTHM Vol.29)

バックダンサーが夢だった子が歌手を目指した理由

―― 現在の活動について教えてください。

弾き語りできるわけではないので、オケで出られるライブに出させてもらいながら、活動の幅を広げながら少しずつ名前を広めていくという活動をしています。ライブは不定期ですが月1回~2回程度しています。また、自分の幅を広げるためにダンスもしています。

―― もともと歌手が夢だったんですか?

幼稚園くらいの頃から、モーニング娘。とかアイドルが好きで、テレビを観て真似していました。小学校の時には年1回ステージでパフォーマンスをする機会があって、独学で学んだダンスを振付けてやっていました。そうしているうち、人前でダンスを披露することの楽しさを覚えて、どんどんダンスが好きになっていきました。その時の夢がバックダンサーだったんですよ。最初は歌は全くで、鼻歌程度でした。ずっとダンサーを目指していて、中学2年の時にはじめて小樽のダンススクールに通わせてもらって、3年間習いました。

それから、高校2年(2011年)の冬に「ソニーミュージック北海道限定学生だけオーディション」を受けたんですが、歌もやってみようかなと思って、歌とダンスを一緒に受けたんですよ。そうしたらファイナルで賞を頂いて、関係者の方に『歌もちゃんと習ってみたら』とVoice Worksを勧めてもらって、本格的に歌を始めました。

―― じゃあ、そのオーディションが転機だったんですね。

そうですね、これがなかったらずっとダンスで、ずっとダンサーが夢だったと思いますし、ずっと小樽にいたと思います(笑)。当時はほんと、歌はカラオケで、趣味程度に好きなアーティストを歌うくらいでしたね。

―― その後、毎年オーディションに参加されていますが、「キングレコードドリームボーカルオーディション」では全国1万人以上の応募から北海道代表としてファイナルに出場し、15人のファイナリストに入っていますね。

いきなりでほんとにびっくりしました。札幌予選の時、曲を一週間で覚えなければいけなかったんですが、歌詞が飛んじゃって全部「ラララ」で歌っちゃったんです。わたし的には落ちたなと思ったんですが、次の第二次審査に通っちゃったんですよ。それが私の中で大きなオーディションだったので、びっくりしたまま次のステージに進みました。でも、ずっとダンスをやってきていたので、そこではじめて歌うことに自信を持てました。『そういえば歌もあるな』と。そこでダンスを一回やめ、歌一本でやってみようと決めました。

目標は道産子アーティスト・福原美穂さん

―― 影響を受けたアーティストは誰ですか?

小さいころは、モーニング娘。とジャニーズがずっと好きだったんですけど、ほんとに歌を目指したきっかけは福原美穂さんで、いまも変わらず目標の一人です。実は彼女がここVoice Worksにいたことも知らなくて、ソニーのオーディションを受けた時も福原美穂さんの曲でしたので、すごい偶然でした。福原美穂さんのすごいところは、パワフルなところ。聴いたとたんにパンチがあるじゃないですか。私は声が馬鹿でかいので(笑)、やっぱり『パワフルだよね』という声はお客さんから多くいただくんですけど、そこはやっぱり自分の中で長所として持っていきたいなと思っています。あと、北海道のアーティストさんというところで、私は『北海道の中であの子っていいいよね』『道産子のアーティストなら岸本さんだよね』と言われるのが憧れなので、それを目指しています。

私はよくMISIAの歌も歌っていて、あの世界観が好きと思って聴いていたんですが、カラオケで歌うと『MISIAっぽいよね』と言われて自信を持てました。あと、本当に最近なんですが、クリスティーナ・アギレラという方を教わって調べまくりました。ほんとすごくて、デビュー当時はアイドルみたいな感じで出てきたんですが、ガラッと印象を変えた派手な露出で、パワフルな歌い方で、ダンスもうまくてかわいくて(笑)。かっこよくて、すごくよく聴きますね。

―― 歌のレッスンを本格的に始めて、やはり変わりましたか?

歌い方もそうですし、考え方も変わりました。最初は自分の好きな曲を歌いたいように人前で歌えればいいと思っていました。でも作り出す側だし生み出す側だから変わっていかなきゃと思っていったら、どんどん最初の気持ちがなくなって、自分で歌詞を書こうとか、聴いたことのないジャンルの曲を聴こうとか、関わりを持ってこなかった人と関わってみようとか、そういう考えが出てきて変わりました。

オリジナル曲「華になれ」では初めて作詞にも挑戦

―― オリジナル曲について教えてください。

オリジナル曲は、コンピレーションアルバムに収録されている「華になれ」「あじさい」の2曲、そして、YAMAHAオーディションが終わった後に楽曲を提供してもらったので、全部で3曲あります。
「Shooting Star」はバラードです。夢を見る子供を流れ星に例えているんですよね。誰もが夢を持っていると思うんですけど、そういう小さな子供が大きくなるにつれて夢を追っていく内容です。
「あじさい」は恋の話です。あじさいは6~7月に咲きますけど、梅雨に負けずに一番目立っている花です。それを、かなわない恋と合わせて書いている曲です。

―― 初めて作詞した「華になれ」にはどんな想いが込められていますか?

この曲は、殻に閉じこもった女の子が主人公なんですが、昔の自分をイメージして作った曲でもあります。私も田舎で育ったので、都会や街に出るのは最初怖いというか、出たくないというのがあると思うんです。どういう服を着ていけばいいんだろうというのもあるじゃないですか。あと、昔から接してきた人に新しくなった自分を見られて恥ずかしいとか。
でも、内面も外見も全部変わった自分が、自分の目の前にある世界で目立てる花になればいいじゃん、という曲なんですよ。私も今、夢を追っている途中なので、子供も含めて、夢を追い続けている人、殻に閉じこもっている人に、是非聞いてほしいですね。

―― 歌詞を書いてみて何か学んだことはありますか?

今回アルバムのプロジェクトでいろいろ勉強させてもらって、自分の思うことをまず書いて曲に当てはめていったり、ほかのアーティストさんの曲を聴いたり歌詞を見たりして視野を広げました。なので、このプロジェクトは私の中で一皮むけたものでした。今までコピー曲でライブに出ていたんですが、自分で歌詞を書くと、感情がいつもより入るということを学んだんですよ。少しずつ形にして曲にしていけば自分の思いも届けられる、それが成長にもつながると思うので、これからも曲作りはやっていきたいですね。

まずは北海道で、また来たいな、聴きたいな、そう言ってもらえるように


―― 歌っているときに心掛けていることって何でしょうか?

お客さんを一番に考えているんですけど、来ていただいたお客さんの中には自分を見てくれている方もいると思うので、歌詞も、曲も、対応の仕方もそうですけど、お客さんに満足してもらえるように、『また来たいな』『また見てみたい』、そう言ってもらえるように心掛けています。

―― 思い描く夢・目標は何ですか?

まだまだ無名で『あの子誰だろう』という感じだと思うので、自分を知ってくれている方を増やしたいです。いろんな場所でライブできるように曲も増やしていきたいですし、自分の名前を北海道の中で広めたいというのが一番近い目標です。そのために、ラジオのパーソナリティのほかにも、フライヤーを作ったりしてます。知らない方もライブでそれを置いていると見てもらえて、口伝えでつながっていくと思うんです。ちょっとずつ名前と顔が一致して、少しでも印象を残せればいいなと思っています。

―― 最後に読者の皆様に一言お願いします!

ラジオで声や曲を聴いてもらってもうれしいんですが、まずは一度ライブに来て歌を聴いてほしいですね。

ライブ情報
2014/7/5(土)15:00~、タワーレコード札幌ピヴォ店にて、コンピレーションアルバム「Sapporo Girls Compilation」発売記念ライブ開催。観覧無料、購入者特典として撮影会。

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