東西どちらの岬が好み? 霧多布半島 東の霧多布岬 vs 西のアゼチの岬

【浜中町】海に突き出した霧多布(きりたっぷ)半島。浜中町の中心街がその付け根に広がっていますが、その先には美しい景観を楽しめる2つの岬が東西に存在しています。東の端は「霧多布岬」またの名を「湯沸岬(とうふつみさき)」、そして西の端は「アゼチの岬」です。

それぞれ半島を隔てて2つの湾が見られる自然景観スポットで、天気が良いと感動すら覚えます。さらには、ともに映画『ハナミズキ』のロケ地になったという共通点もあります。それでは2つの湾から見える風景をご紹介しましょう。

東の端「霧多布岬」

霧多布半島の東の端は「霧多布岬」、正式名「湯沸岬」、そしてアザラシが見られることから「トッカリ岬」との異名も持ちます。海岸線は標高40~60mほどの断崖になっており、木々もほぼないため、開放的な景観を楽しめます。

まず立ち寄っておきたい「きりたっぷ展望台」は岬より北側に位置しているため、岬からは少し離れていますが、海に沈みこんでいく岬の先端部を一望できます。トッカリ岬と名がついた由来となったアザラシがいるのは、3㎞先にある「帆掛岩」です。


左手を見れば、浜中湾。きれいに緩やかなカーブを描く海岸線や貰人の絶壁を一望します。ここからの眺めは、あの『ルパン三世』の舞台になったともいわれています。ここには売店もあり、ここにしか売っていない「かじか君」が名物です。

岬に近づいてみることもでき、その場合は岬に近い駐車場から約600mの遊歩道を、岬の先端を目指して歩いていきます。四角い建物が特徴的な湯沸岬灯台、そして岬の先に沈み込んでいく岩礁を最も間近で見られるポイントです。7月にはエゾカンゾウの群生が黄色い花を咲かせ、斜面を彩ります。

ちなみに、新垣結衣・生田斗真主演の映画『ハナミズキ』では、夕陽の中、灯台2階に2人が立っているシーンが登場します。

西の端「アゼチの岬」

霧多布半島の西の端に突き出している岬は「アゼチの岬」と呼ばれます。こちらも霧多布岬と同様、標高50m前後の台地の上から展望しますので、見晴らしも抜群。さらにここの特徴として、約500m先にある「小島」、そしてその奥に「嶮暮帰島」が、琵琶瀬湾の入口を守っているかのように、どんと構えている様子を見ることができます。

目の前にある小島は周囲588mで、エトピリカの営巣地として知られており、6~7月になるとエトピリカの観察シーズンを迎えます。嶮暮帰島は外周4.5㎞と比較的大きな無人島。付近の無人島や岩礁は自然のまま残され、ウトウやケイマフリなど海鳥の貴重な棲家であることが確認されています。ちなみに太平洋側にポツンとあるのは「ゴメ島」です。

▼ゴメ島


北側に目を向けると、浜中町の市街地、そして霧多布半島と本土を結ぶ橋、その奥に広がる霧多布湿原が一望できます。映画『ハナミズキ』では、ここアゼチの岬で、2人が自転車で楽しそうに駆け抜ける印象的なシーンが撮影されました。

駐車場からアゼチの岬までは約200mありますが、さらに霧多布温泉ゆうゆまでは「ハマナスロード」が整備。8月になるとハマナスの花が咲き誇り、散策するのも気持ちが良いものです。時間に余裕があればゆったりと歩いてみるのも良いのではないでしょうか。

霧多布岬とアゼチの岬、どちらがお好き?

どちらの岬も圧巻の風景を楽しませてくれます。どちらも台地状の先にある岬であり、開放的な景観が楽しめます。ともに半島を挟んで2つの湾に面し、東は浜中湾が、西は琵琶瀬湾がそれぞれ見渡せます。そしてともに映画『ハナミズキ』のロケ地になりました。

岬の先端部までの様子が確認できる霧多布岬展望台。間近に島々が見られ、浜中町市街地やその先の霧多布湿原も見渡せるアゼチの岬。あなたはどちらがお好みですか?