木の城たいせつ
北海道のテレビCMで5本の指に入るほどの宣伝量を誇る木の城たいせつ。住宅建築会社です。北海道じゃかなり有名で、雪国に強い住宅作りを売りにしています。この会社製の四角い住宅はあちこちでみかけます。栗山町に本社があり、見学ツアーもあります。(2008年、木の城たいせつは経営破たんしました)
日当たりと北風びゅーびゅーだから
部屋は、機密性と断熱性が高いため、換気には特に注意が必要になります。また、日当たりの関係で、暖かい部屋もあれば寒い哀れな部屋もあります。東側に窓が付いている部屋は朝のみ日が入ります。南に窓のある部屋は全体的に暖かく感じます。その分、北側の部屋は夏涼しいです。南側のほうが溶けやすく、北側は溶けづらい……ということです。北側は日光が入らないだけじゃなく、北風も寒いですから、窓が少なめです。
実際に見ると、確かに言われてみれば……というふうに思うのではないでしょうか。ブロックの南側に位置する家々(南側で道路に面する)は、玄関をはじめ窓も大きく道路側に広がっていますが、北側は窓が小さいのがちょっと、あるいはゼロという家庭も。
逆に北側に位置する家々(北側で道路に面する)では、北側は玄関及び小さな窓で終了、南側に居間をとって大きく窓をとりつけている……そんな家が目立ちます。
屋根はまったいら?三角屋根?
雪国対応の住宅は、大きく分けて2つあります。落雪屋根と無落雪屋根ですが、落雪屋根は急な角度の三角屋根で雪が自然と落ちるようにしてある家で、屋根から落ちる側と隣の家がとても近い場合は特別な巨大な柵を設けて隣の家に落雪が行かないようにします。
無落雪屋根は、四角の家で、雪は屋根にたまりますが、かなりの重さになっていくため、豪雪地帯では時折屋根に上って雪下ろしをする光景をよく見かけます。
瓦屋根は皆無に等しく(なぜなら雪で重くなるというのに瓦じたいがすでに重い、なおかつ雪が落ちにくい、そして割れやすいから)、板金(トタン屋根)が主流になっています。
ところで最近では電気による融雪用屋根もでてきています。やはり雪がつみかさなっていくにつれて、重みで屋根にかかる負担も大きくなりますし、となりの家になだれこむケースもあります。そこでそうなる前に対処をしておこうというわけです。わざわざ屋根に上って雪下ろしをする必要もないというありがたい設備です。これも設備投資は数十万円かかるものです。
時代によって屋根の形も変わってきた
ちなみに、昭和30年ころに住宅地が形成された当時のニュータウンでは、三角屋根になっています。2階が大きな屋根の部分というつくりで、屋根の斜面にえんとつがついています。いまや古臭いと感じてしまう(失礼)デザインの家なのですが、当時は画期的でした。それまで木材だった家とは違って、壁はほとんど窓なしでブロックを積んだ形で、これにより保温性能が向上しました。
また内部の構造としては居間を広くし廊下はほとんどない状態。広い居間が特徴的な北海道の家ということですが、昭和45年ころから現在までの新興住宅街で見られる家(無落雪屋根=しかくい家)では、本州と変わらず長い廊下を取り入れている場合もあります。
また、断熱材(壁の中にグラスウールを入れ熱が外に逃げないようにするもの)が昭和42年ごろから取り入れられるようになり、壁の仕組みも変化を遂げました。