なかなか収束しない新型コロナウイルスにもう嫌気がさしている人も多いのではないでしょうか。筆者もそんなひとりです。「どこかに行きたい!」といっても、現状、海外旅行は現実的じゃありません。そして思い切った遠出も、なかなかリスクが高いのが現実。
そんな筆者は、モニターツアーに参加。新千歳空港からなら車で1時間前後、札幌からでも2時間前後の白老や洞爺湖を中心に2022年晩冬から早春の胆振の魅力を再発見してみました。
定番のあの観光地はもちろん、創業80年を迎えた老舗旅館の格安プラン、登別の新スノーアクティビティ、北海道初登場の高級リゾートなどの「今」をお伝えします。
新千歳空港を通るなら、絶対外せない「ノーザンホースパーク」
冬季は約半額!入園料だけで楽しめるハッピー ポニーショーは必見
新千歳空港周辺の観光スポットとして有名な「ノーザンホースパーク」。競馬ファンなら知らない人はいない「ノーザンファーム」の関連会社であり、気軽に馬と接することができるテーマパーク。園内には約80頭の馬たち、引退した競走馬やポニーなど、さまざまな大きさ、性格の馬たちと触れ合うことができます。
馬たちと触れ合うことができるさまざまなアクティビティが用意されているのですが、絶対に見逃してほしくないのが「ハッピー ポニーショー」。
「ノーザンホースパーク」は夏期運営期間(4/15〜11/5)は入園料が大人(中学生以上)800円、小学生400円、幼児は無料になっています。しかし、冬期運営期間は入園料が大人(中学生以上)500円、小学生200円、幼児は無料とさらにリーズナブル。
10頭のポニーたちが毎日11時〜と13時〜からの2回、日替わりで登場し、それぞれの特技を披露してくれる「ハッピー ポニーショー」は、この入園料のみで楽しむことができます。
日本でも珍しいポニーのショーは1回約20分。ポニーが技を披露してくれるのは、実はとても珍しく、馬をよく知る人ほど驚くそうです。しかも10頭のポニーはそれぞれ特技が異なり、季節によってもショーの内容が変わるため、ほぼ毎回新しいショーを楽しむことができます。近くに住んでいる筆者は、このポニーショーのためだけに年間入園パスポート、大人(中学生以上)1,600円、小学生800円を購入する予定です。
降雪期や雨天でも安心な屋内ひき馬コースも完備
冬季や雨天は何もできないのではないかと心配される方もいるでしょう。
しかし、ノーザンホースパークには、なんとインドア乗馬場が完備されています。そのため、冬季や雨天でも安心して観光ひき馬(900円)や体験乗馬レッスンなどを楽しむことができるのです。
また今回は、50年に1度クラスの大雪のため体験できませんでしたが、ミニスノーモービルやスノーラフティング、クロスカントリー、馬そりといった降雪期ならではのアクティビティも用意されています。
北海道の冬と雪を存分に楽しめるのも魅力のひとつといえるでしょう。
ゴージャスな雰囲気が楽しめる「レストラン ディアドブエナビスタ」
せっかくノーザンホースパークに立ち寄ったなら、ランチも一緒に楽しんではどうでしょうか。
冬期運営期間中は「レストラン ディアドブエナビスタ」でランチが楽しめます。広々とした店内には大きなシャンデリアがいくつもあり、普段よりも高級感のある食事が楽しめるでしょう。
ランチ以外にもコーヒーや紅茶といったドリンクのほか、ケーキも用意されています。
▼ノーザンホースパーク
WEB:https://www.northern-horsepark.jp/
住所:北海道苫小牧市美沢114-7
電話:0144-58-2116
営業時間:9:00〜17:00(4/15〜11/5)、10:00〜16:00(11/6〜4/9)
定休日:4/10〜4/14
新スノーアクティビティ「スノードライブ」は爽快
登別カルルス温泉「サンライバスキー場」で体験
登別カルルス温泉「サンライバスキー場」に今シーズンから導入された新スノーアクティビティ「スノードライブ」。ゲレンデの状況によって、2022年3月21日まで営業予定の今シーズンは、利用後のアンケートに答えると、なんと2時間まで無料でレンタル可能。
上に掲載した写真のとおり「スノードライブ」は、短めのスキー板の上に腰をかけるための椅子部分、さらに両手でも、片手でも握りやすいグリップハンドルが装着されたもの。これを使ってゲレンデを疾走するといいます。
両足を使ってバランスやスピードをコントロールできるため、安定感があり少しの練習で誰でも滑れるようになるのが大きな魅力。椅子の下にはスプリングが内蔵されており、乗り心地も優しく、5歳から70歳という広い年齢層の方が楽しめるそうです。重量は約3kgと軽く、スキーやスノーボードのように足に装着する必要もないので、リフトの乗り降りも簡単。
お子さんの付き添いで来て、自身はゲレンデに出ることもなかったというお母さんが、無料レンタル体験を機に「スノードライブ」にすっかりハマってしまったそうです。
予想以上に簡単に楽しめる「スノードライブ」
「雪に慣れている北海道人で、スキーやスノーボードなどのスノースポーツの経験者なら、すぐに滑れますよ」といわれ、あっという間にゲレンデに連れて行かれた筆者たち一行。
本当にすぐ滑れるのかと、半信半疑でしたが、実際にまたがってみると両足をつくことができるので、思った以上にバランスも取りやすく、安定感があります。バランスの移動や手を使ってカーブを行うという基本的な動作の講習を受けると「それではリフトに乗りましょうか」というお誘いの声。
ある意味北海道的スパルタ、スノーアクティビティ講習ともいえますが、実際乗ってみるとすぐに滑れそうなのです。
そのため、練習開始から15分後には全員でリフトに乗りゲレンデに繰り出しました。
スキーやスノーボードのときは、立てるようになるだけでも、それなりの練習時間が必要でした。しかし「スノードライブ」は予想以上に簡単です。
スキーやスノーボードの経験があるということもあるのでしょうが、15分程度の簡単な練習、そして実際にリフトに乗って何本かゲレンデを滑ってみると、かなり思い通りに楽しむことができるようになりました。
今回案内をしていただいた登別市の本田利幸さんによると、スキーやスノーボードの経験がない方でも、簡単な練習だけでゲレンデでの滑走を楽しめるのが「スノードライブ」の魅力だといいます。すでにスキーやスノーボードを楽しんでいる方はもちろん、スキーやスノーボードに尻込みされている方にこそ楽しんでほしいのが「スノードライブ」というわけです。
座った姿勢で滑るので視線の位置が低く、スキーやスノーボード以上にスピード感があり、ゲレンデを疾走している感覚が楽しめる「スノードライブ」。また、座った姿勢なので、転倒してもダメージが小さく、積極的に様々な滑り方が楽しめるのもよいところです。
今シーズン(3月21日予定)は、無料レンタルで楽しめます。ぜひ登別カルルス温泉「サンライバスキー場」を訪ねてみてはどうでしょうか。
▼サンライバスキー場
WEB:https://sanlaiva.com/
住所:北海道登別市カルルス町27
電話:0143-84-2872
営業時間:平日・9:00〜16:00、土・日・祝・9:00〜16:00
2021-2022営業予定:12月18日〜3月21日予定
洞爺湖万世閣ホテルレイクサイドテラス1泊2食付き80周年記念の8,000円〜
朝夜2食約90種類の料理が食べ放題のビュッフェスタイル
洞爺湖を代表する宿泊施設のひとつといえる 洞爺湖万世閣ホテルレイクサイドテラス 。この「【万世閣ホテルズ創業80周年記念】感謝の大特価8000円~/ビュッフェ」プランを利用して宿泊。なによりも驚きなのが、消費税・サービス料込みで8,000円〜というその価格です。実際筆者が宿泊した日も8,000円でしたが、土曜日など休日の前日が10,000円~というのを除くと4月28日まで、ほぼ毎日1人1泊8,000円での宿泊が可能。
しかも1泊2食付きで、夕食、朝食ともに約90品の料理が並ぶというビュッフェで食べ放題。夕食の約90品目にも驚きましたが、朝食に約90品目の料理が並ぶと何から手をつけていいのか、分からないほどです。
サウナ好き、温泉好きともに体験しておきたいふたつの大浴場
洞爺湖といえば、道内屈指の温泉街。洞爺湖万世閣ホテルレイクサイドテラスも地下に「月の湯」、最上階には「星の湯」という大浴場を完備しています。時間帯ごとに男湯と女湯が入れ替わるシステムで、宿泊客ならば、ふたつの大浴場をしっかりと堪能できる仕組みです。
最上階の「星の湯」からは当然洞爺湖を眺めることができ、お湯も素晴らしいのですが、今回注目したいのはサウナ。
2018年4月にリニューアルオープンした「星の湯」にもサウナが完備されています。しかし、2019年5月にリニューアルされた地下大浴場「月の湯」のサウナは、プロサウナーが選ぶサウナシュラン2019にも選定された名サウナ。フィンランド・ミサ社の大型サウナストーブと国産ヒノキで作られた空間は水蒸気(ロウリュ)でじっくりと身体を温めてくれる我慢しないサウナです。
筆者はあまりサウナが得意ではないのですが、国産ひのきのよい香りのなか、じっくりと水蒸気で体を温めてくれるためか、思った以上に長い時間楽しむことができました。
洞爺湖街歩きの際にぜひ立ち寄りたい広々とした空間で美味しいコーヒーが楽しめる「BLOSSOM COFFEE」
2021年8月に洞爺湖万世閣ホテルレイクサイドテラスの1階ロビー奥の地下1階にオープンしたLibrary&Cafe「BLOSSOM COFFEE」。ライブラリーを名乗るだけあり300冊を越える本が用意されています。蔵書の一部は近隣の廃校になった中学校の図書館のものも譲り受け利用。この本は宿泊客は部屋で楽しむことができるほか、宿泊客以外もゆっくりと「BLOSSOM COFFEE」で読むことができます。
宿泊客だけではなく、洞爺湖で街歩きをするお客さんにも立ち寄ってほしいという「BLOSSOM COFFEE」。本を読みながらゆったりとくつろぐスペースはもちろん、無料のWi-Fiやノートパソコンやタブレットなどの充電ができるコンセント付きのワーキングスペースも用意されています。家族が街歩きを楽しんでいる間に、ここでひと仕事片付ける、なんてことも出来るわけです。
看板メニューの「レイクサイドブレンド」のほか、季節限定の「さくらショコラータ」(650円)やフードメニューいちばん人気の「フルーツアイスクロワッサン イチゴ&ブルーベリーMIX」(650円)といったメニューも充実しています。特にコーヒーへのこだわりは強く、地元コーヒーショップこだわりの自家焙煎豆を使い、丁寧にドリップしている様子が印象的でした。
取材当日は50年に1度という大雪のため利用できませんでしたが、足湯や、大きな黒板やボルダリング施設があるキッズスペースも無料で利用できるそうです。
ひとりでも、家族連れでも、カップルでも洞爺湖を訪れたらぜひ立ち寄りたい施設がひとつ増えたといえるでしょう。
▼洞爺湖万世閣 ホテル レイクサイドテラス
WEB:https://www.toyamanseikaku.jp/
住所:北海道虻田郡洞爺湖町洞爺湖温泉21番地
電話:0570-08-3500
営業時間:各施設の営業時間はWEBなどを参照
話題の「ウポポイ」に隣接 一度は泊まってみたい! 星野リゾートで北海道初の「界」ブランド、「界 ポロト」
2022年1月に開業した温泉旅館ブランド「界」の19個目の施設は、ポロト湖に抱かれるような全室レイクビュー
2022年1月14日に星野リゾートが全国展開する温泉旅館ブランド「界」の北海道初となる「界 ポロト」が白老温泉にオープンしました。
コンセプトは「ポロト湖の懐にひたる、とんがり湯小屋の宿」。「民族共生象徴空間 ウポポイ」に隣接し、全客室はアイヌ語で大きな湖を意味するポロト湖に面しており、アイヌ民族の暮らすチセに着想を得て設計されているといいます。また、四角を意識した客室に対して、クネクネと曲がりくねった帰り道を意図したという客室通路も印象的です。
料金は1泊28,000円〜(2名1室利用時1名あたり、サービス料・税込、夕朝食付き)。
世界的にも珍しいモール温泉が楽しめるふたつの大浴場
「△湯(さんかくのゆ)」と「○湯(まるのゆ)」
「界 ポロト」の温泉は、世界的にも珍しい「モール温泉」。天然植物由来の腐植質の有機物を含有する独特の茶褐色の湯が特徴です。「モール温泉」の成分は化粧品にも配合されることから「美肌の湯」ともいわれています。
このアルカリ性で古い角質を落とし肌の新陳代謝を高める「モール温泉」を楽しむ大浴場が「界 ポロト」にはふたつ。「△湯(さんかくのゆ)」と「○湯(まるのゆ)」です。
アイヌ文化の建築特徴である「ケトゥインニ」を基本構造とした「とんがり湯小屋」の中にある「△湯」はポロト湖につながるような開放的な設計が特徴。露天風呂からは、ポロト湖が一望でき、取材に訪れたときは、凍結した湖面でワカサギ釣りを楽しむテントを眺めながら温泉を楽しむことができました。こちらは宿泊客専用の施設になっています。
もうひとつの大浴場「○湯」は、大地から湧き出る茶褐色のモール温泉を実感できるように設計されたといいます。洞窟の中や地中をイメージさせる浴室内には、露天のドーム天井から差し込む光が浴槽の水面に映り込む幻想的な光景が楽しめます。
プライベート感が保てる半個室の食事処でいただく会席料理
すぐにでも泊まってみたい魅力の温泉旅館
「界 ポロト」での食事は、プライベート感が保てる上の写真のような半個室で提供されるといいます。最大8人までのグループがひとつの個室を利用でき、2世代、3世代といった大家族でもゆったりと過ごすことができるといいます。
また、北海道らしい食材を活かした会席料理が提供され、じゃがいものすり流しにいくらとウニをのせた先付け「馬鈴薯海宝盛」や、酢の物・八寸・お造りを一緒に盛り合わせた華やかな「宝楽盛り」をアイヌ民族の丸木舟をモチーフとした舟形の器で提供するなど、アイヌ文化特有の情景も演出しているといいます。
1泊ひとり28,000円〜で、夕朝食2食付きでこれだけの施設を利用できるとしたら、ぜひ一度は行ってみたい新たな温泉施設といえるでしょう。これから「ウポポイ」に出かけようと思っている方なら、「せっかくなら「界 ポロト」に泊まるプラン」というのも、非常にうらましくおすすめです。
▼界 ポロト
WEB:https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/kaiporoto/
住所:北海道白老郡白老町若草町1-1018-94
電話:0570-073-011(界予約センター)
営業時間:各施設の営業時間はWEBなどを参照
気になる新型コロナウイルス対策
もしかしたら日常生活以上に安全なのでは?と思うレベル
あまりうれしいことではありませんが、新型コロナウイルスの流行がはじまってから、かなりの歳月が経っていることもあり、私たちみんなが感染症対策に慣れてしまったこともあるのでしょう。
三密回避、マスク着用、手指消毒、換気といった基本的な感染防止行動の徹底は、どの施設でも確実に行われていたという印象です。出入り口などには、検温の機器であったり、消毒薬であったりが用意されており、マスクの着用を要請するポスターなどが貼られています。また、これらを無視する人たちも見かけることもないといった印象です。
逆にさらに進んで「ノーザンホースパーク」では広い空間であるにも関わらず、しっかりとした換気が行われてました。カルルス温泉「サンライバスキー場」では、ゲレンデの状況にもよるのでしょうが、ペアリフトであっても、ひとりずつでの利用を推奨しているようで、ほかの人と十分な距離を取ってスノーアクティビティを楽しむことができます。実際に宿泊した「洞爺湖万世閣ホテルレイクサイドテラス」では、検温や消毒、マスクといった基本的な新型コロナウイルス感染症対策が遵守されており、安心して各種施設が利用可能。しかも、ビュッフェ会場や大浴場など三密が生まれる可能性がある場所では、公式ホームページで現在の混雑状況を確認できたり、デジタルサイネージで混雑の様子を確認、時間をずらすなどの対策ができるようになっています。
客室については、テレビのリモコンがしっかりとビニール袋で覆われているなど、筆者の対策があまいのかもしれませんが、自宅以上に安心して利用できるような気すらしました。最終日に見学した「界 ポロト」では、宿泊客用のスマホアプリが提供され、こちらも大浴場などの混雑具合が簡単にチェックできるようになっているといいます。
各観光施設が新型コロナウイルス感染症対策に慣れてきたということもあるのでしょうが、素人の筆者が思う以上にしっかりとした対策がされており安心して楽しむことができました。
まとめ
札幌からの日帰り、一泊旅行にちょうどいい!胆振は魅力満載
年に1回程度の海外、同じく年1回程度の温泉など、なんだかんだといいながら、それなりに旅行に出かけていた筆者たち。しかし、ここ数年は新型コロナウイルスの影響で、まったく旅行に出かけられません。それでも出張・仕事という名目で、極たまに出かける筆者はまだしも、子育て中の妻はすでに限界です。
そんな時に視察ツアーに参加した胆振(いぶり)地域、クルマで洞爺湖までは新千歳空港から約1時間半、札幌からでも約2時間、ウポポイのある白老までなら、札幌からで約1時間半、新千歳空港からなら1時間を切る距離。ちょっとした一泊旅行や日帰り旅行にちょうどいい距離感といえるでしょう。
ゴールデンウィーク前の晩冬から初春にかけての北海道は、新型コロナウイルスの影響もありますが、ある意味シーズンオフ。混雑しているからと様子を伺っていた「民族共生象徴空間 ウポポイ」を訪ね、4月28日まで80周年記念で1泊8,000円~と破格の洞爺湖万世閣ホテルレイクサイドテラスや新たな温泉施設「界 ポロト」に泊まる小旅行などでコロナストレスを解消するというのもよいのではないでしょうか。
千歳市に住む筆者は、コロナと子育てストレスで最近すっかり怒りっぽい妻のご機嫌をそんな胆振(いぶり)地域への旅行で取ろうと考え、3月、4月のスケジュールを調整しています。ぜひ、みなさんも、新千歳空港や札幌からの距離感が丁度いい、胆振でお得で快適な旅を検討してみてはいかがでしょうか。