アメリカ合衆国西海岸でゴールドラッシュが起こった時代、北海道にも
ゴールドラッシュが起こりました。「東洋一の金山」と評されるほどにま
でになったところもありました。さて、そこはどこでしょう?
北海道版ゴールドラッシュのはじまり!
日本各地にも金山・砂金の場所はあります。北海道においては、
道南の松前町(まつまえちょう)大沢が道内砂金発祥地=最古とされているようです。2006年4月18日に大規模な砂金掘りの遺構が発掘されており、江戸時代1618年に砂金が見つかり、幕府に献上したりしていたとされています。
その他、十勝・釧路・根室地方以外の道内各地には砂金産出地が数多く点
在しています。
1898年夏のことでした。枝幸(えさし)郡で相次いで金田が発見されまし
た。現在の浜頓別(はまとんべつ)町を流れる頓別川の支流、ウソタン(宇曽
丹)川で、また山を一越えした歌登(うたのぼり)町の北見幌別川の支流、パ
ンケナイ川でのこと。
未開の森林地帯だった枝幸郡の山の中には、この影響でどんどん人が集
まってくるようになりました。どっと500人もやってきてあっという間に
集落が形成されるようになっていきます。
翌年には、中頓別町のペーチャン(兵知安)川でも同様に金田が発見され、
この一帯は「枝幸砂金の地」として知られるようになりました。ピーク時
には5000人程度も砂金探しにやってきたようです。しかし、枝幸砂金の地
はわずか4年で衰退していきました。
(※ちなみに、国内最大の金塊は1900年にこの枝幸砂金の地でとれたもの)
オホーツクゴールドラッシュの波紋……
枝幸砂金の影響を受けてか、その周辺地域でも砂金堀りのために人が続
々集まってくるようになります。枝幸町の南東にある雄武町(おうむちょ
う)、興部町(おこっぺちょう)、紋別市(もんべつし)がその一例です。
特に紋別市では、枝幸から流れてきた砂金堀りの人たちによって、後に
「東洋一の金山」と呼ばれるようになったところが発見されました。「鴻
ノ舞(こうのまい)金山」です。発見されたのは大正時代ですが、昭和時代
になると、日本一の産出量になりました。当然、数万人規模の大きな町が
できましたが、枯渇により1973年で閉山しています。
砂金採りを体験してみよう!!
ゴールドラッシュの地でもあった浜頓別町の「ウソタン砂金採掘公園」
では、500円払うことで今でも、川に入って砂金採りを体験できます。ゆ
り板とクワのようなカッチャを使って採掘します。
まず、川上に向かってゆり板を川底に沈めて軽く踏んで固定します。カ
ッチャを使い、川底の土砂を深く掘ってゆり板の上に載せます。大きな石
は捨て、川下を向いてゆり板を揺すって不要な砂利と砂金とを選別します。
ちょっとしか採れないように思える量なのですが、それでもまぁ気長にや
ってみてください。
(※おまけ:2002年にはなんと「世界砂金堀り大会」なるものが、日本で
初めて浜頓別町で開催されました)