北海道の中心ってどこ? 地形の重心・人口の重心など様々な中心を紹介

北海道の中心ってどこでしょうか。意外と有名なので答えからいうと、 富良野市。「北海道のへそ」として全国的に知られています。ところで、 実は別の中心もあるのです。

北海道の中心・富良野

へそ祭りも開催されていて、日本全体のへそである兵庫県西脇市とは 1978年以来友好関係にあります。北海道のへそはどこかというと、小学校 の敷地内にあります。富良野市街地にある富良野小学校の校庭脇に、それ を示す「北海道中央緯度観測標」という丸いボールが置かれています。横 には高さ4mほどの大きな石碑もあります。

東経142度23分・北緯43度20分

ここにあるコンクリート製床盤は大正初期の1914年に、当時の京都帝国 大学理学部教授新城新蔵博士一行が、地球重力測定や天体観測経緯度など の測定を目的として機械を置いたところだそうです。1956年10月には北海 道タイムス社主催北海道文化財百選に選出されたことも併記されています。 富良野市の指定文化財でもあります。

北海道の重心・新得

さて、もうひとつ北海道の真ん中があることはあまり知られていません。 そして山の中に位置するため実際に行くことは困難です。それは十勝管内 新得町にあります。JR新得駅前に「北海道の重心地」がおかれていますが、 それはダミー。実際は新得町域北部の字屈足、十勝岳東部です。

東経142度49分40・北緯43度28分02

この地点は新得町市街地より上富良野町のほうが近いわけですが、行政 区域的には十勝管内新得町になります。

正式な重心となるのは新得町のほう。1993年に国土地理院が発表したの ですが、そのとき発表になった重心の緯度経度の位置は、断面一次モーメ ントによると新得町だった……。

富良野との違いは、国土地理院が基準となる北端を択捉島としていて、 つまり北方領土が面積に含められているのに対し、富良野市の「へそ」は 本島だけとみられます。北海道本島だけを切り抜いて富良野に支点を置い てみると重心を確かめられます。

人口重心

以上の中心や重心は緯度を軽度をもとにしたものですが、別のものとし て人口の中心(地域内人口一人一人が同じ重さを持つと仮定し支点となる地 点)を「人口重心」といい、5年ごとの国勢調査のたびに発表されています。 北海道の人口重心は空知管内栗山町字日出(2000年)。人口の3分の1が集中 する札幌市に近い位置になっています。この位置は人口移動があるため毎年 微妙に変動します。

東経141度54分47・北緯43度04分46

中央緯度の富良野市、重心地の新得町、人口の重心地である栗山町。以上、様々な「北海道の中心」をご紹介しました。